「電動自転車の充電OK」欧州の通勤列車に登場 乗客用のコンセント設置は当たり前の時代に
近郊列車でも客席にコンセントを設置する例は珍しくなくなったが、中には今回展示された日立製のイタリア向け新型近郊電車「ロック」(2018年10月26日付記事「日立vsアルストム『イタリア電車対決』の軍配」参照)のように、客席にはコンセントを設置せず、自転車置き場にだけ設置している車両もあるほどだ。つまり、それだけ電動自転車が普及し、利用客のニーズが高まったということなのだろう。
一方、客席のコンセントは、かつては優等列車にのみ設置されていた特別な装備だったが、現在では近郊列車にも普及している。中にはコンセントだけではなく、スマートフォンの充電用にUSBポートを備えたものもある。
充電用の設備が普及した一例として挙げられるのが、オーストリア鉄道の近郊用電車「シティジェット」だ。同鉄道は前回2016年に続き、今回のイノトランスでもシティジェットを展示したが、2016年に展示された車両(シーメンス製「デジーロML」)はコンセントを設置していなかったものの、今回展示された増備車(ボンバルディア製「タレント3」)は、コンセントに加えてUSBポートも設置していた。
コンセントやUSBポートは、2年前の時点でシーメンスも用意できたはずだが、その時点では鉄道側が、近郊列車にコンセントは不要と判断したわけだ。増備車では乗客のニーズに応える形で設置したのだろう。時代の変化を感じさせる。
最高時速160kmが当たり前に
現在、ヨーロッパの近郊用車両の最高速度は、蓄電池式電車のような一部の特殊車両を除いて時速160kmが標準となっている。かつての近郊列車は時速120kmから140km程度が標準で、160kmを出せる列車はかなり俊足の部類であったが、現在ではスイスのシュタドラーが製造したスウェーデンのMälartåg向け2階建て車両や、チェコのシュコダが製造したドイツ鉄道のミュンヘン・ニュルンベルク・エクスプレス用2階建て客車のように、最高速度を時速200kmにまで高めた高性能な車両もある。
これらは一応、近郊用と位置づけられてはいるが、性格的には近郊用と都市間急行用の中間に位置づけられると言えるだろう。もっとも、高速化はインフラ改良とセットでなければ実現できないことで、車両の性能上は時速160km走行が可能でも、線路状態や信号システムによっては、それ以下でしか走ることができない。
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