楽天と西友「ネットスーパー」への期待と不安 関東中心に展開、取り扱いは最大2万品目に
当面は東京、神奈川、千葉、埼玉など関東地区での展開に集中する構え。共働き世帯が増加する中で、30~40代を中心とする主婦層の「調理や買い物などの時間を減らしたい」との時短ニーズを取り込む狙いだ。ECに詳しい富士経済・東京マーケティング本部の栗田洋一郎氏は「ネットスーパーをはじめ食品類の通販購入には一定の需要があり、今後も拡大していく方向」と見通す。
競合もネットスーパー事業を強化
需要増を見込み、アマゾンは2017年4月に宅配サービス「アマゾンフレッシュ」を始めた。同年6月には配送対象エリアを東京6区から東京18区、そして千葉県と神奈川県の一部地域に拡大。対象商品も7万点から17万点に大幅に増加した。
また、アマゾンは2017年7月からプライム会員向けサービス「プライムナウ」でも、野菜やフルーツなど生鮮食品の取り扱いを開始。注文から最短2時間で顧客に商品を届けることができる。
GMS(総合スーパー)最大手のイオンも、子会社イオンリテールの約200店舗を拠点に、ネットスーパーを全国で手掛ける。現在、注文手続きをスムーズにするために、年内完成を目指してネットの注文画面を改良している。
各社が注力するとはいえ、日本でネットスーパーを展開する企業の多くは、充分な収益モデルを築けていない。高度な鮮度管理やきめ細やかな物流網構築が求められる一方、商品の単価が低く採算性が低いためだ。
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