家系ラーメン「町田商店」が抱く全国制覇の夢 上場を機に、手薄な関東以外での出店を加速

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ギフトの創業者で社長を務める田川翔氏は、中学生の頃に家系ラーメンでの起業を決意した(撮影:大澤 誠)

ギフトの源流は2008年、田川翔社長が仲間2人と東京都町田市で「町田商店」を開店したことにさかのぼる。横浜が地元だった田川社長は、中学時代の終わり頃から好物の家系ラーメンで起業したいと思うようになった。高校卒後に横浜家系ラーメンの有名店で修行を始め、25歳のときに独立した。

「当たり前のことをやり続ける」

開業から半年程度は、味が安定せず店を閉めざるを得ない状況に陥ることもあったほか、従業員の育成も思うようにいかなかったという。ただ、味だけではなく、目線や笑顔、あいさつをするタイミングなど日々改善を続けることで、徐々にリピーターが増えていった。「変わったことはしていない。当たり前のことをやり続けようと言い続けた」(田川社長)。

2010年8月に2号店を開業すると、みるみるうちに直営店を増やしていった。2014年3月には国内の直営店が10店舗、同年12月には20店舗を達成した。

外食の世界では創業店舗が繁盛したことをきっかけに多店舗展開をした結果、目が行き届かなくなり、業績不振に陥るケースも少なくない。その解決策として導入されているのが、店舗ごとの“頑張り”が従業員に還元されるインセンティブ制度だ。

業績に合わせて年収が増えることから、中には年収1000万円超の店長もいるという。こうした仕組みは「(ラーメン業界で)他社にはあまりない」(田川社長)。店長のマネジメント能力の向上によって、スムーズな多店舗展開を可能にしている。

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