日経平均604円安、キャタピラーショック警戒 一時2万2000円割れ、TOPIXは年初来安値更新

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 10月23日、東京株式市場で日経平均は急反落。下げ幅は600円を超え、一時2万2000円を下回った。外部環境の不透明感が意識される中、上海株が下落したことが投資家心理を悪化させた。写真は都内で11日撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[東京 23日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は急反落。下げ幅は600円を超え、一時2万2000円を下回った。外部環境の不透明感が意識される中、上海株が下落したことが投資家心理を悪化させた。日米の企業決算の発表本格化を前に押し目買いの動きも限られ、日経平均は2カ月ぶりの水準まで下落。TOPIXは終値ベースで3月23日に付けた年初来安値を更新した。

東証1部銘柄の95%が値下がりする全面安商状。東証33業種全てが下落した。金属製品や建設、ガラス・土石が下落率上位に入った。東証1部売買代金は2兆5724億円。前日に4%を超す上昇となった上海総合指数が反落したほか、サウジアラビアの記者失踪問題やイタリア財政問題など懸念材料が多く、先物主導で売られ下げ幅を拡大した。

今晩の米キャタピラー<CAT>の決算発表に注目が集まる中、貿易戦争により企業業績にネガティブな影響が現れることを恐れる向きもあり、米株価指数先物が下げ幅を広げると、日本株にも売り圧力が強まった。日経平均は大引け直前に2万2000円を割れ、8月16日以来の安値水準を付けたが、終値での2万2000円割れは回避した。

日経平均ボラティリティー指数は前日の21.80ポイントから26ポイント台まで上昇した。「長期の投資家はほとんど動いてはおらず、短期筋の売りに左右された面が大きい」(ソシエテ・ジェネラル証券の株式営業部長、杉原龍馬氏)との見方も出ている。

個別銘柄では2019年3月期の連結純利益予想(国際会計基準)を大幅に下方修正したLIXILグループ<5938.T>が急落。連結子会社であるイタリアのペルマスティリーザを中国企業に売却することを決めていたが、米国当局からの承認が得られなかった。米中貿易戦争の影響との見方が広がる中、下方修正を受けた失望売りが強まった。

半面、自社株買いを発表したアイモバイル<6535.T>が続伸。トヨタ<7203.T>は小幅安。一部外資系証券が投資判断を引き上げたことが株価を下支えしたとみられている。

東証1部の騰落数は、値上がり79銘柄に対し、値下がりが2015銘柄、変わらずが14銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値     22010.78 -604.04

寄り付き   22404.14

安値/高値  21993.07─22410.15

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1650.72-44.59

寄り付き     1681.25

安値/高値    1650.01─1681.30

 

東証出来高(万株) 140528

東証売買代金(億円) 25724.88

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