高市早苗氏「国会のバリアフリー化が必要だ」 女性初の衆議院議院運営委員会委員長に就任

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不逮捕特権を持つ国会議員が開会中に逮捕請求された場合、秘密会を開いて審議するのも議運委員会の役割だ。さらには議席と議員控室の割り当てや発言順位や割当時間の決定、議員の辞職や請暇(せいか)にかかわる事項など、その職務は非常に細かい。

加えて、与野党が対立して国会の審議が全面的に止まった場合でも、議院運営委員会は開かれる。特に同理事会は与野党が妥協点を探る場として、その役割は非常に重要だ。

議院運営委員会のメンバーは委員長以下25人で構成されるが、実際の協議を担うのは委員長と各会派を代表する9人の理事たちだ。協議を重ねても合意が得られない場合には、与党筆頭理事から委員長に判断を仰ぐことになるが、委員長職権で本会議を立てることを決することも少なくない。

こうした職責を担う議運委員長は当然ながら、与党側に偏しない公平さが必要とされるが、同時に極めて高い調整能力も求められる。国会改革に大きな功績を残した委員長も数多い。

たとえば1999年10月29日から2000年6月2日まで衆議院議院運営委員長を務めた大島理森衆議院議長は、国会審議の「国会審議活性化法」を成立させてそれまで大臣等に代わって答弁していた政府委員制度を廃止するとともに、イギリス国会の「クエスチョンタイム」をモデルとする「党首討論」を導入した。

配布文書のペーパーレス化を推進

10月24日に委員長に就任したばかりの高市氏も、改革の意欲を見せる。

「議院運営委員長は『議会制度に関する協議会』の座長であり、『国会法改正等及び国会改革に関する小委員会』委員長も兼任する。その立場から各会派の委員と十分に協議を行ったうえで、納税者の利益につながるコスト削減や議員立法の審議時間の充実などに努めたい」

そのために高市氏がまず取り組もうとしているのが、院内の配布文書のペーパーレス化だ。議員会館地下にある各議員室のポストには文書課などから大量の書類が届けられているが、その大半は閲覧すらされずにそのまま破棄されてしまうことがかねて問題視されていた。

しかし、長年の慣行や法規という障壁があった。たとえば衆議院規則第89条(「議長は、委員会において特に秘密と認めた部分及び第71条の規定により委員長が取り消させた発言の部分を除き、委員会の報告書及び少数意見の報告書を印刷して各議員に配布する」)など、ペーパーレス社会を想定していない法律が多々存在する。

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