2031年なんば「素通り」危機、南海はどう防ぐ?

なにわ筋線で「梅田」直通実現、その影で・・・

南海なんば駅は難波エリアの中心的な存在として多くの人が集まる。最近では訪日客も多い(写真:shiii/PIXTA)

大阪の交通体系を一変させる新たな南北軸が2019年に着工する。

2031年春に開業予定の「なにわ筋線」の路線図。大阪の中心部を南北に貫く

なにわ筋線。大阪駅北側にある「うめきた」付近に2023年に開業する新駅の北梅田駅(仮称)とJR難波駅および南海本線・新今宮駅を結ぶ約7.4kmの新規路線だ。大阪府などが出資する第三セクターの関西高速鉄道が整備主体を務め、JR西日本(西日本旅客鉄道)と南海電気鉄道が路線を運営する。

2031年春の完成後は関西国際空港―梅田エリア間の所要時間が現在よりも15分程度短縮し、40分程度で結ばれる。北梅田から先はJR東海道支線を使って新大阪に乗り入れる。

とりわけ、メリットが大きいのが南海だ。なんば(難波)駅止まりだった路線が、梅田方面に直通する。近年、オフィス街としての地位を固めた中之島も経由する。梅田や中之島への通勤路線として利便性が高まり、利用者増への期待が膨らむ。

なんば駅は新線ルートから外れた

南海にとっていいこと尽くめのように見えるなにわ筋線だが、1点だけ懸念材料がある。それは、ターミナル駅がある難波エリアへの影響だ。

難波の雑踏。商業の集積地として多くの人でにぎわう(記者撮影)

関空に最も近い繁華街として、多くの訪日客の支持を集める大阪「ミナミ」。台風21号の直撃で関空の旅客便が大幅に縮小した際は人通りが大きく減ったが、空港の復旧後は元のにぎわいを取り戻した。道頓堀や心斎橋など数あるミナミの人気スポットの中でも、南海、JR、近畿日本鉄道、阪神電気鉄道、大阪メトロが乗り入れる難波エリアは、交通の結節点として多くの人が集まる。

そのシンボル的存在が南海のなんば駅だ。外観は1932年に完成した荘厳な4代目駅舎のたたずまいを今も残し、大手百貨店・高島屋が店舗を構える。1994年に関空が開港してからは空港アクセス特急「ラピート」の発着駅となり、多くの外国人が利用するようになった。駅には「スイスホテル南海大阪」や大型複合商業施設「なんばパークス」も隣接する。

だが、なにわ筋線の計画では、現行のなんば駅はルートから外れ、代わりに南海新難波(仮称)という新駅が設置される。大阪市が公表する資料によれば、なんば駅から200~300m離れており、近鉄や阪神の難波駅付近になりそうだ。

現在のなんば駅は南海が誇るターミナル駅だが、南海新難波駅は、なにわ筋線の停車駅の1つにすぎない。そのため、南海の高木俊之専務は「(乗客が)素通りしてしまうリスクもある」と懸念を隠さない。

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