超富裕層がすごい美術館を建てたがる事情 プライベートジェットの保有にもワケがある

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昨今は、美術品がものによってはかなり高騰しているため、所有するだけで節税になるだけでなく、むしろ密かに資産が増えているケースもある。

ただし、「パナマ文書」で発覚したように、タックスヘイブン(課税が免除、もしくは軽減される国や地域)に資産を逃している富裕層の存在が報じられると、世間の批判の目に晒されるため、国もこうした節税行為を見て見ぬ振りをしていられなくなっている。

世間から容認されるポイントは「公益性の高さ」

「特定の人たちの間で密かに節税スキームが広まると、国税サイドも何らかの対策をしてくるケースが多いように感じます。この数年でもタワーマンションや特定の保険商品、相続税回避のための社団の設立など、過度な節税対策は、税制改正等により当初想定していた効果が得られないこともありえます。そのため、事前のプランニングや事業との関連性を慎重に検討する必要があります」(井上税理士)

企業のオーナー経営者は、所得税・住民税の税率が最大55%であり、稼ぎの大部分を税金として納める必要がある。プライベートジェットや別荘を所有する理由は、単に見栄や所有欲によるものだけではないようだ。彼らもまた、知恵を絞り、少しでも自分や子どもたちにお金を残すための工夫をしている。こうした動きを観察すると、「富める者がますます富める仕組み」が垣間見えてくる。

富裕層優位な仕組みに否定的な意見も多い。しかし、過度に締めつけることで税金の安い海外に移住されるくらいなら、こうした仕組みを利用して公益性と経済に貢献するようなお金の使い方をしてもらった方が、世間的にも納得されやすいのではないだろうか。

伊藤 洋次 ジャーナリスト、編集者

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いとう ようじ / Yoji Ito

立教大学卒業。複数の出版社に勤務。雑誌、書籍の編集などを経て現職。Webサービスの企画、開発なども行っている。

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