グーグル新スマホ「Pixel 3」は"買い"なのか iPhoneよりも「AI」に対してアグレッシブ

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Pixel 3では「Call Screen」という機能が利用可能になる。この機能は迷惑電話対策として搭載されているが、Pixel 3上で相手の電話を端末内で音声認識して文字に起こし、対応を選択して音声で返信する仕組みとなっている。

このように、Pixel 3シリーズはグーグルのAI技術をさまざまな方面で最大限に活用するデバイスだ。実際にアメリカに住んでいると、地元の番号からのロボットコールといわれる迷惑電話がしょっちゅうかかってくる。これにGoogleアシスタントが自動で対処してくれるとなれば、便利さを実感できそうだ。

また、Pixel 3の日本向けモデルでは、Google Payがおサイフケータイに対応することになった。Suica、QuickPay+だけでなく、楽天Edy、nanaco、WAONといった電子マネーをアプリから設定して利用でき、プラグインを用いてiDにも対応する。

みんなの笑顔が揃った瞬間を撮影

Pixel 3の魅力は、グーグルが持つ画像処理技術を最大限に生かせるカメラ機能にもある。インテルと共同開発した画像処理エンジンVisual Coreを搭載し、写真機能を向上させたほか、GoogleレンズなどのAIを用いたビジュアル検索などを実現している。

搭載するカメラは、フロントカメラが800万画素2台、メインカメラは1220万画素1台を搭載する。しかし、メインカメラでは、ポートレート撮影に対応するほか、夜の撮影でもフラッシュなしで明るく映し出すナイトショットに対応する。

これらの手法は、アップルが語った、機械学習処理とアルゴリズムを生かして写真の画質を向上させる「写真の新時代」の手法を、グーグルらしく突き進めて実装している結果、と見ることができる。

iPhoneを含むほとんどのスマートフォンの最上位モデルは複数のカメラを搭載しているが、グーグルはAIによるカメラの進化をもってすれば、必ずしも複数のレンズによる高画質化は不要だ、という考えだ。

シングルカメラでのポートレートモードは、被写体と背景を機械学習処理によって切り分け、背景側にボケのエフェクトを加える。これはアップルが、A12 Bionicの画像処理エンジンとニューラルエンジン、そして高速センサーによって、iPhone XRのシングルカメラでポートレートモードを実現した方法と同じだ。

「Top Shot」という機能も魅力的だ。これは、写っている1人もしくは複数の人の顔が笑顔で揃っている瞬間を撮影できる仕組みだ。シャッター前後のフレームを保持している点は、iPhoneのLive Photosと同じ。ただしPixel 3では、機械学習処理によって笑顔が揃っているフレームを自動的におすすめしてくれるのだ。

現状、グーグルもアップルも、機械学習処理による写真の進化を目指している。ただしグーグルのほうが、よりアグレッシブに、機械学習処理をカメラ機能に盛りこんでいるように見受けられる。ただしソフトウェアの問題であれば、より汎用的なニューラルエンジンを備えるA12 Bionicを搭載するiPhoneもソフトウェアアップデートによって、追いつける可能性が高いだろう。

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