家計管理がうまい夫婦の関係が良好な理由 夫と妻、どちらが家計を握るべきか?
次に②の「夫が給与の中から妻に一定の生活費を渡し、妻がそれでやりくりする」タイプも昔からよくとられています。
このタイプのメリットは、夫は自分の収入や細かい支出まで口出しされることがないので、「自分のお金」を自分の意思で使っていると感じやすく、主導権を握りたい人には適している点です。
デメリットは、妻が夫の収入や渡されている生活費以外の支出をまったく把握できないので、家計の総合管理ができない点です。渡した金額の中で貯金もするのか、それとも夫が貯金をしたうえで生活費を渡すのかにもよりますが、このケースの場合、貯金や大きな支出については夫任せになることがほとんどです。夫自身がきちんとお金の管理ができないと、余計な保険に入っていたり、将来の出費に対しての貯金ができていなかったりするのです。
また、子供が成長して支出が増えたときに手渡す生活費を増やさずに、妻のやりくりに難癖をつけて、いつの間にか「生活費を適正に渡さない」という「経済的家庭内暴力」のような状況に陥っていることもあります。収入やお金の使い道を知らされないことで、口に出さないまでも不満や不安を抱いている妻は少なくありません。収入や支出の情報開示をしながら、生活費の金額についても定期的に話し合う必要があります。
貯金は共有口座ですべきか、各自ですべきか
最後に、「共有口座を設けて、そこにお互いが家計費を出し合う」タイプを見てみましょう。これは特に共働きでよく見られるケースです。
このタイプのメリットは一見公平で、それぞれの収入について口出しされる心配がない点です。ずっと共働き前提の夫婦は、この形をとる場合が多いですね。一方、デメリットは、老後費や教育費といった「どちらの責任か」をいえないお金であとあともめやすい点です。貯まっていると思っていたのに、まったく貯まっていなかったというトラブルもよくあります。共有口座ですべてを貯めていくのか、それともそれぞれが自己責任で貯めるのかで大きく違ってきます。
また、出産や子育ての際、妻の収入は変動します。そのため、出し合う金額の調整ができなかったことで、「独身時代の貯金から何とか共有口座に入金しなければならず困っている」といった類の相談もありました。この形をとる場合、「貯金計画」が重要になります。お互いに口出しされなくていい状態にしたいのなら、家族に関する貯金はガラス張りにすることが大事です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら