青山墓地が最安値427万円でも大人気のワケ 死ぬ前に知っておきたい「お墓とお金」の話

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たとえば、都心の一等地にある青山霊園では、今年度の墓地使用料は最低でも427万4000円から。一般墓所のうち、最も倍率の低かった多磨霊園の区画でも274万5000円。これらは土地の使用料のみですから、墓石や工事費などを合わせるとトータルで500万円以上は余裕で超えてきます。

高額なのに申し込みが殺到する理由は、自治体による管理・運営のため永続性が保たれること、檀家という縛りがない気楽さ、さらに「公営だから安いに違いない」と、ほかと比較検討することなくイメージ先行で申し込んでいる人も多いと思われます。

また、求めやすい価格帯にするために1区画を1㎡以下にして販売している霊園が多い中、都立霊園は1.5㎡~6㎡と比較的大きい区画が多く、富裕層を対象にしていることもわかります。

一方で、冒頭で述べたように都立霊園以外のお墓の販売は不調が続きます。筆者のまわりでは「売る墓地はたくさんあるのに、お客が全然集まらない」と嘆く、墓地販売業者もいました。また、遺骨を別の場所に移動する「改葬」は約9万7000件と、5年前から2万件増え、過去最高を記録しています(なお中には元の墓を処分する「墓じまい」も相当数あると思われます)。

お墓が売れなくなった3つの理由

なぜ日本人の「お墓離れ」が進んでいるのでしょうか?

お墓が売れない理由1 お墓は高額である

お墓に関する全国調査(2017年、鎌倉新書)によると、購入総額の全国平均は約174万円。その内訳は、土地を使用する権利で、寺院や自治体など事業主体に支払う「墓地使用料(永代使用料)」と、石材店に支払う「墓石価格」「工事費用」に分けられます。墓地使用料は立地に左右され、不動産価格、用地取得、造成費などによって大きく異なります。管理棟や会館などの施設費、駐車場や緑地面積などによって差別化を図るところもあり、全国平均は約63万円です。

墓石価格の決定要素は、石材の使用量、国産か外国産か、石材の希少価値度、色や色目の合わせなどで、工事費用は、基礎工事、加工・作業工程、加工場所、文字彫刻費など。同じ墓石を使用しても、人件費や諸経費等を換算して都市部が高めになってしまうことは否めません。こちらは「墓石価格」「工事費用」を含めて全国平均は約114万円です。

お墓が売れない理由2 お墓の承継者がいない

お墓が売れないいちばんの理由は、「将来に対する不安」からでしょう。「お墓を継ぐ人がいない」「今後継ぐ人がいなくなる可能性がある」ために、「〇〇家の墓」という形で継いでいくことを前提とした承継墓を建てることに躊躇する人が増えています。

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