東京に登場「レストランバス」の食べ心地は? 眺めと食事は満足、でも座席はちょっと窮屈

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今回は試乗会ということで実際の運行コースとは異なり、20分ほどかけて皇居の周りを走行した。一つひとつの車窓に対して「この建物は何だろう?」という疑問がわいてくる。知っているようで案外知らないものだ。実際のコースでは、GPS位置情報を利用した自動音声で案内をしてくれる。スポットは50カ所ほどとのこと。また、英語、中国語、韓国語に対応した端末も用意されている。

屋根をオープンにすると広々とした眺めが広がる。オープントップだが空調は完備している(編集部撮影)

走行中、はとバスの「オー・ソラ・ミオ」、日の丸自動車の「SKY BUS」を見かけた。どちらもレストランバスと同様に2階建てのオープンバスを使用し、都内を1時間ほどかけて周遊する(日の丸自動車については乗降自由の「スカイホップバス」もある)観光客向けのバスだ。

「東京レストランバス」のターゲットは、前述の「外国からのビジネスパーソン」以外に、観光客(訪日客、日本人の両方)、女子会、記念日、そして「上京した母と娘」。私のことか。思い出したのは、ちょうど1年ほど前のこと。上京した母と「オー・ソラ・ミオ」に乗車したが、1人あたり1800円という手頃な価格で効率よく都内の名所を見て回ることができ、満足度は2人とも高かった。下車後は、都内の有名店でフランス料理の手頃なランチを食べた。

東京レストランバスで料理を担当するLEOCはフードサービスの大手ではあるが、メインは社員食堂などのB to B。料理は文句なしにおいしかったものの、上京した母を連れて乗る娘心としては「食事はやっぱり東京の有名店で……」とも思ってしまう。また、はとバスであれば、同乗するバスガイドさんの案内も楽しみの1つだ。自動音声案内はちょっと寂しさを覚える。こう感じる観光客にどこまで魅力をアピールできるかが、レストランバスの人気を高めるうえで重要になりそうだ。

今後は和食の展開も?

東京レストランバスは11月下旬以降にもう1台バスを投入する予定で、こちらはフランス料理ではなく、和食を考えているという。

2016年3月に登場したレストランバスの1号車。これまで国内各地の観光地を期間限定で運行している(編集部撮影)

また、貸し切りという形態を採用しているため、コース変更を比較的容易に行うことができる。今後は利用者の反応を見ながら、経路やサービスについて柔軟に対応していきたいとのことだった。

今や「レストラン列車」は各地で運行され、珍しいものではなくなりつつある。また、前述のように「オープンバス」も都内では頻繁に見かけるようになった。東京レストランバスのような都内の観光手段も、今後は続々と増えていくかもしれない。

蜂谷 あす美 旅の文筆家

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はちや あすみ / Asumi Hachiya

1988年、福井県生まれ。出版社勤務を経て現在に至る。エッセイやルポのほかトークイベントで活躍。2015年1月にJR全線完乗。神奈川県在住。http://hachiyasumi.hachiyasumi.com/

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