京急、「キワモノ」企画の次は女子ウケ路線? お騒がせ電鉄、動物&スイーツで好感度上げ
突然だが、東京都大田区にはどんなイメージをお持ちだろうか。若い女性からすると、大田区は何があるのかわからない少し謎めいた存在である。
なじみがあるとすれば羽田空港くらいか。それでも「羽田空港って大田区だったんだ~」てなもんであろう。そんな大田区に“スイーツ女子”を呼び寄せようと、大田区の主要交通機関である京急がキャンペーンを始めた。
京急と大田区の商店街などがタッグを組んで、現在開催しているのがオリジナルスイーツを販売したり、スタンプラリーを実施したりする「京急×おおたスイーツキャンペーン」だ。キャンペーンロゴの制作者は、日本工学院専門学校の学生さん。同校は、蒲田にキャンパスがあるというのだから、ここにも粋な地元愛を感じることができる。
スタートに先駆けて記念式典が羽田空港で行われた。式典で大田区商店街連合会の平澤久男会長は「大田区には143の商店街がある。地域の開拓・発展のために、一丸となって街づくりを」と意気込んだ。また、京急の櫻井和秀運輸営業部長がJALの客室乗務員とのケーキカットで盛り上げるシーンも。ちなみに櫻井さん、ご自身の結婚式以来、人生2度目のケーキカットだそう。ダンディなお顔に笑顔がほころんでいた。
スイーツのスタンプラリー対象店舗は20店舗。京急蒲田をはじめ、平和島や、糀谷、穴守稲荷など、ともすれば一生利用しないかもしれない地元密着型の駅にも、しっかり降りてもらう仕組みとなっている。
SNSを意識したスイーツで女性にPR
今回、どの店もSNSを意識したオリジナルスイーツを用意した。「インスタ映え」を求めて、若い女子たちが日本中を駆けまわる世の中。勝算はありそうである。
スイーツの中には、京急車両をモチーフにしたアイシングクッキー(六郷土手の14COOKIES)や、京急電鉄色をイメージした「餡だんご」(平和島の御菓子処大黒屋)など、店舗が“京急愛”を表現したものもある。女性の筆者から見ても、かわいらしくてつい写真を撮りたくなってしまうものばかり。
大田区にとっては、初の女性向けスイーツイベントだそうだ。区内には温泉も多く、“温泉好き”の女子とも親和性が高い。「温泉は黒湯です。もっと若い女性にも来てほしい」と、区の担当者も力を入れて話す。次回はぜひ、疲れた女子に向けた「温泉キャンペーン」を開催してほしいものである。
11月11日には、多摩川を越えた川崎市を走る大師線に“出張”し、列車内でスイーツを楽しむ貸し切りイベント列車「京急×おおたスイーツマルシェ号」を運行する予定だ。スイーツなどのコンテンツ作りはもちろん、インスタ映えを意識すれば、さらに若い女性から注目されるようになる。
京急の電車・バス乗車券に食事とお土産の引換券をセットにした「葉山女子旅きっぷ」は売り上げが好調と聞く。筆者のような女性の鉄道ファンはまだ少数派であるが、鉄道にひも付けた女性向けコンテンツを増やしていけば、路線自体のファンが増える可能性は十分ある。今後も、女性が電車に乗って街歩きを楽しめるようなキャンペーンの展開に期待したいものだ。
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