貴乃花問題で誰も触れない横綱のリアル寿命

ガチンコ相撲で年間90日興行はムリがある

私も興味をもったので、ボディビルに詳しい友人にお願いしてアメリカのボディビル大会の最高峰であるオリンピア2018の観戦に連れて行ってもらいました。出場する世界の頂点のボディビルダーたちは皆、すばらしい肉体美を披露しているのですが、友人に言わせると、「あの状態にもっていくのは生命の危険と隣り合わせだ」というのです。

実際に体脂肪率を極限まで落とす関係で、ステロイド抜きでも低血糖でふらふらになる。だからあの状態になれるのは年に1回が限度で、何度も大会を開催することは無理なのだそうです。そしてアメリカのボディビルダーは実際、若くして亡くなる人が少なくないといいます。

同じ、肉体に極度の負担をかけるスポーツの場合で考えると、大相撲の問題はその試合の頻度でしょう。

プロボクシングの世界タイトルマッチは年に1度か多くても2度開催するのが限度です。毎月ボクサーが興行に出場したとしたら、それこそボクサー生命どころか本当の生命に赤信号がともるはずです。

ショーとして興行するプロレスラーも命を削っている

逆に頻繁に興行を行うとしたら。これはプロレスの世界の話ですが、最初からある程度のシナリオを決めておいて、あくまでショーとしての興行を行う前提でないと身体がもつはずはありません。もっともプロレスでも頂点を極めたレスラーたちは相撲と同じくらい短命の傾向があります。命を削っているのには違いはないのです。

そのような情報を基に考えてみたいのが今回の貴乃花問題です。

あくまで大相撲では八百長は行われていないというのが公式見解です。その前提で貴乃花親方と協会の争点はメディアではわかりにくい方向に話がもっていかれてしまうのですが、誰もが知っている公然の秘密ということで言えば、ガチンコ相撲を厳密に突き詰めるかどうかという一点にありました。

貴乃花親方は相撲道という言葉を用いていましたが、貴乃花親方にとってこれは相撲哲学として譲れない大問題だったようです。

一方でこれは誰も真剣に訴えかける人がいない話なのですが、年6場所15日間。つまり合計で90日、あの巨体の力士たちがガチンコで土俵の上でぶつかり続けたとしたら、彼らの生命の危険はどうなのかというより本質的な大問題があるのです。

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