沖縄県知事選は、「野党共闘の勝利」ではない

自公の「中央主導による選挙戦術」が限界に

また玉城氏は街宣車の上に上がらず、聴衆と同じ目線で演説した。これは昨年10月の衆院選で立憲民主党の枝野幸男代表が用いたのと同じ手法だ。枝野氏はこのやり方で自民党の「聖地」である秋葉原で3000人もの聴衆を熱狂させ、立憲民主党は55議席を得て野党第1党(衆議院)に躍り出ている。

立憲民主党、国民民主党、共産党、自由党、社民党、沖縄社会大衆党が玉城氏を応援したものの、「推薦」という形はとらず、玉城氏とともに演説もしなかったのも「自民党との差別化」という意味で票を上積みしたといえるだろう。

中央主導の選挙戦術がぶつかった壁

その一方で、佐喜眞氏の名前の浸透度はいまいちだった。

「一言でいえば知名度不足。宜野湾市長といっても、佐喜眞氏は全県で名前が知られているわけではない。東京都内で例えて言うと、中央区の住民が八王子市の市長の名前を知らないというのと同じだ」

玉城氏の当確が出た時、佐喜眞陣営は敗因について力なくこう語ったが、同時に中央から有名な政治家を次々と投入するとともに、地元企業に圧力をかけるという“自民党流の選挙”が限界にきているともいえるのではないか。

沖縄の経済は上向きになっている。それを牽引するのは観光業で、訪問客数は年間1000万人も突破しそうな勢いだ。一方で建設業などは人手不足が深刻で、今回の知事選で自民党側から「仕事をやるから」と言われたものの、断ったところもあったという。

そもそもこうした考えは時代遅れというものだろう。国の公共事業の予算自体が5兆円くらいまで減らされている。いつまでも「打ち出の小づち」として使えるわけではない。

なお今回の沖縄県知事選での玉城氏の勝利をきっかけに、野党共闘を加速化させようとする動きがある。立憲民主党の福山哲郎幹事長は1日、「参議院1人区で明確に1本化すれば十分に勝機が見いだせる」と述べ、共産党の小池晃書記局長も「候補者調整と政策対話をスピードアップしていきたい」と期待を寄せた。

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