日本に居座る不届き外国人「強制退去」の内幕 不法許すまじ、河川敷で野菜育てる中国人も
今回のターゲットは、3年前、留学生として日本へやってきた24歳のベトナム人の男。半年前にビザが切れて不法残留となり、現在は群馬県内の工場で働いているという。
内偵調査の目的は、調査対象者の居住の実態をつかみ、生活パターンを把握、確実に摘発すること。警戒心の強い不法滞在者に、こちらの存在を気づかれれば、逃亡されてしまう可能性が高い。
一人暮らしの男が住んでいると思われる部屋のベランダには、作業着が干してあるのを確認。工場で働いているのは間違いないようだ。
不法滞在者摘発 緊迫の現場に密着
周囲が闇に包まれた頃、入管Gメンは部屋へと近づいていった。スパイ映画さながらの光景だ。忍び足でドアの前に立つGメン。換気扇は回っておらず、室内からは物音もしない。灯りもつかず、誰もいないようだ。夜勤で働いているのだろうか……。
その時、Gメンがわずかな異変に気づいた。キッチンの小窓の端から、ほんのわずかだが、灯りが漏れているのだ。どうやら窓には目張りが施してあり、室内の光を漏らさないようにしてある。この部屋には誰かがいる。
そして、翌朝午前7時。「そろそろ出勤するかもしれない」と、ドアが開くのを待ち構えるGメンたち。その時だった。
自転車の男がアパートへと帰ってきた。ターゲットの男だ。どうやら夜勤明けで帰宅したと思われるが、では昨夜、部屋の中にいたのは何者なのか……。
答えはすぐに出た。立て続けに2人、アジア系の女が部屋から出てきたのだ。男の一人暮らしだと思って進めてきた内偵調査は一転、3人の集団摘発へと作戦変更になった。
9日後の早朝5時。現場アパートの近くに総勢10人の入管Gメンが集まっていた。内偵調査で把握した生活パターンを元に、3人全員が部屋にそろったタイミングで摘発に着手する。午前6時。アパートに男の自転車があることを確認。きょうは夜勤ではないようだ。部屋の換気扇が回っている。朝食の準備だろうか……。
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