JR東が実演「指差し確認」は世界で普及するか

独国際見本市、日立は規模拡大の秘策を披露

今回、JR東日本は英語が堪能な6人の乗務員を現地に派遣した。そのうちの1人、主任車掌の前崎さんは普段は秋田新幹線に乗務する。外国人旅客に英語で接客する機会は少なくない。

また、主任運転士の林田さんは今回のデモの舞台でもある横須賀線の運転士を務めるが、運転士交代のため途中駅で下車した際に外国人対応をすることがあるという。とはいえ、英語での運行業務は当然ながら今回が初めて。何日もかけて練習するなど入念な準備で臨んだ。

乗務員たちは外国人の反応をどう受け止めたのか。前崎さんは「運行中に何が起きるかわからないという気持ちで訓練に臨んでいます。来訪者の様子をうかがう余裕はなかったです」と話す。

JR東日本の訓練を披露した乗務員たち。日本でおなじみの鉄道の制服や制帽は海外では珍しいようだ(記者撮影)

一方、林田さんは、「デモの合間に会場の様子を見て歩いた際に、制服・制帽姿をあちこちで珍しがられた」という点を挙げた。制服・制帽は乗客の安全を守るという責任感の表れ。だが、運転士が私服姿で運転することもあるヨーロッパの鉄道からみれば、奇異な習慣なのだろうか。

東京メトロの相互直通に注目集まる

日本の運行会社としては、東京メトロ(東京地下鉄)とJR東海(東海旅客鉄道)もイノトランスに出展した。イノトランスは隔年で開催されており、東京メトロはJR東日本同様、2010年以来、5回連続の出展。同社は2013年からベトナム・ハノイで都市鉄道の運営支援を行っており、イノトランス出展を今後の海外展開に生かしたいという狙いがある。

東京メトロのブースで来訪者の関心を集めたのは、相互直通運転の仕組み。「トラブル時の各社間の意思疎通をどう行っているのかという質問が相次いだ」(同社)。指差喚呼や制服と同じく、日本で当たり前に行われていることが、外国では珍しい。

JR東海は今回初参加。同社はアメリカ・テキサス州ダラス―ヒューストン間で新幹線方式による高速鉄道導入を目指す。これまで新幹線の海外向けPRは同社肝いりで設立されたIRHA(国際高速鉄道協会)に頼ってきた。

今回のイノトランスへの参加はアメリカ以外への展開を考えてのことだろうか。「それはありません」と、ブースにいた国際部担当者は否定する。そのうえで、「海外の技術を取り込んで新幹線をより強くしたい。そのためにはまず海外のメーカーに当社を知ってもらうことが必要なのです」と力強く語った。

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