駅時刻表には表れない「便利な駅」の見分け方

本数が多くても「使える」列車は少ないことも

最後に、本数を増やさなくても接続を改善するだけで大きく利便性が向上しそうな例を紹介する。高崎線と宇都宮線から来た列車が上野東京ライン・湘南新宿ラインへと流れていく大宮駅だ。これらの列車は大宮駅停車時に同一ホームでの接続などはほとんど行われていない。

だが、各系統の列車を同一ホーム接続とすれば、列車増発なしで有効本数を大幅に増やせる。

例えば大宮駅上り毎時12分発・42分発の宇都宮線発の湘南新宿ラインと、同13分発・43分発の高崎線発の上野東京ラインを、少し時刻を調整して同一ホーム接続とすると、宇都宮線→上野方面の有効本数は現状の毎時4本から6本へ、高崎線→新宿方面なら毎時2本から4本へと増える。

また、大宮駅下り毎時21分発・51分発の湘南新宿ライン高崎線直通列車と、毎時21~22分発、51~52分発の上野東京ライン宇都宮線直通列車も、少し時刻を調整して同一ホーム接続とすると、新宿方面→宇都宮線の有効本数は現状の毎時2本から4本へ、上野方面→高崎線なら毎時4本から6本へと増える。

こうなればかなり便利だし、現状の配線でも不可能ではないので「いちばん乗りたい鉄道会社」を目指しているのならぜひとも実現してほしいところだ。実際、JR西日本の尼崎駅ではこうした接続を行っている。だが、同一ホームで乗り換えられてしまうと駅ナカがあるコンコースへ人が誘導できなくなってしまい、駅ナカビジネスの売り上げが落ちてしまうことを理由にやりたくないのかもしれない。

池袋・新宿を発着地とする場合は上記に加えて赤羽で埼京線に乗り換えるという手段もあるが、上野より先や渋谷より先へは有効本数が少ない。

有効本数が多いのはどんな路線か

今回は有効本数という概念を紹介し、速達列車の新設や増発によって有効本数が増えた路線、減った路線、実際の運行本数の増減がないのに有効本数が減った路線、増やせる路線などを紹介した。

まとめると、結局のところ有効本数が最大になる路線の条件としては、

●各駅停車と速達列車(急行など)の本数の比率が1:1に近い路線
●速達列車と各駅停車の待ち合わせをする駅(緩急接続駅)がどの列車でも同じである路線
●途中駅で合流する路線の速達列車と本線の緩行列車とで接続が取られている路線
●路線・系統が交差する駅において、すべての列車で同一ホーム接続を実施している路線

といったところだろう。普段は時刻表を手に取らない方も、時刻表で自分の路線・駅、あるいは引っ越し先の路線・駅はどうなのか検証してみてはいかがだろうか。

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