東京都が取り組む「時差Biz」は疑問だらけだ 多額の宣伝費投じたが効果の検証ほぼなし

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「時差Biz」では鉄道各社もさまざまな取り組みを展開している。東急電鉄は田園都市線と東横線で臨時列車を運行している(編集部撮影)

7月9日から東京都で「時差Biz」が始まった。これは小池百合子都知事の「満員電車をなくす」という公約から始まった、都が主導する通勤時間をずらす取り組みで、昨年は7月11日から7月25日の実施で約320社が参加した。今年は7月9日から8月10日まで期間を延長し、さらに冬も行う予定だ。東京都では今年度、1000社の参加を目指しているという。

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今年度の時差Bizは昨年以上に力の入ったものになっている。前に述べたとおり、参加企業を約3倍に増やす目標もあり、時差Bizセミナーの開催や企業訪問、オリンピック・パラリンピックのスポンサー企業への協力依頼などを積極的に行い、地道に参加企業を増やしている。

現時点での参加社数は約750社(7月9日現在)で、すでに昨年の倍以上の参加社数となっている。PRムービーでも坂本龍馬をイメージしたものを作成し、時差Bizへの参加を力強く訴える。東京都都市整備局によれば、今年度の時差Biz関連予算は9000万円。昨年度予算では6000万円の予算が組まれていたので、およそ1.5倍に増加した計算だ。

鉄道側の取り組みも拡大

鉄道会社側でも、昨年以上に力を入れる事業者が現れている。昨年田園都市線で臨時列車「時差Bizライナー」を運行した東急電鉄では、今年は東横線にも臨時列車を拡大し、「時差Biz特急」を早朝時間帯に運行。東京メトロでも、昨年「時差Bizトレイン」を運行した東西線と半蔵門線に加え、今年は臨時列車を運行する路線を拡大し、日比谷線や副都心線でも運行する。

ほかにも「朝活」を促す夏の快適グッズやポイントのプレゼント、クーポンの配布などといった取り組みもJR東日本や西武鉄道などで行われる。また、朝だけではなく、夕方の快適な退勤を促す取り組みも行われる。京王電鉄では、2月に運行開始した「京王ライナー」を活用した「楽・得・京王ライナーキャンペーン」を展開する。これは時差Biz期間中、「京王ライナー」の座席を4席購入するごとに、ボーナスポイントがプレゼントされる(京王チケットレスサービスの優先予約サービス登録者のみ)ものだ。

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