40代で突如、主夫になった男性の「運命の妻」 海外赴任しバリバリ働いていた人の「大転換」

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おけぴとは、余ったチケットを定額以下でなら売買できる観劇ファンの掲示板的なサイトである。純一さんと妻の美知子さん(仮名、35歳)もこのサイトを介して知り合った。出会いエピソードの前に、バツイチである純一さんの以前の結婚について聞いておきたい。

前妻との結婚生活は極めて自由だった

柔らかい雰囲気の純一さんは若い頃から女友だちが多く、その中から自然と恋人を作っていた。前妻の真弓さん(仮名)は11歳年下の会社員。「同僚の友だちの友だち」として紹介された。

「そのときに彼女には婚約者がいたのですが、ケンカして別れてすぐに私にアプローチしてきました。私は女性から強引に言い寄られると断れない性格です。波長は合いそうなので、まあいいかと思って付き合ったら、半ば強引に同棲をさせられて、結婚することになりました」

なんとも主体性のない結婚ストーリーだが、純一さんにはある種の諦観があった。過去に10人ほどの女性と付き合い、それぞれ良いことも悪いこともあった。だから、誰と結婚しても結果は同じようなものだ、と。

真弓さんとの結婚生活は極めて自由だったと純一さんは振り返る。住む場所は同じだが、週末などは基本的に別行動。真弓さんは登山が趣味で、純一さんは観劇などのインドア派だ。

「子どもは作らないことを結婚前に確認しました。私は当時、子どもが好きではなかったですから。結婚式もしないし、結婚指輪も買っていません。彼女もそれで満足しているものと思っていました」

のん気でマイペースな純一さんとは違い、真弓さんは孤独感を募らせていたようだ。3年ほど経ったところに「このままでは結婚している意味がない」と真弓さんは言い、家庭内別居に突入。関係が修復できないままに離婚をすることになった。

「正直言って、離婚するとはまったく思っていませんでした。でも、彼女が生協の宅配を解除する電話をしているのを見て、『本当に別れるんだな』と初めて気づいたのです」

離婚は辛い体験だが、終わってしまえばさっぱりとした気持ちにもなる。専門知識を生かせる仕事は充実しているが「呼吸と同じぐらい楽にこなせる」という純一さんはますます観劇に没頭した。そして前述のおけぴを介して知り合ったのが美知子さんだった。

「チケットを郵送ではなく手渡しすることもあるので、友人や恋人関係に発展することはおけぴの界隈では珍しくありません。私は妻にチケットを渡すために会ったときに、一目で素敵だと思いました」

宝塚の娘役のようなファッションが似合う人が好みだという純一さん。初対面の美知子さんはピンクのスカート姿で、顔もかわいかったので心惹かれたと明かす。そして、友人として会っていく中で「まじめな超優等生で、苦労人なので他人にすごく優しい」ことがわかった。

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