次期カローラセダンは5ナンバーを保つのか ワゴンも含め3ナンバー化が話題になる理由

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かつては3ナンバー車といえば限られた車種にしかなかったが、今やホンダ「シビック」、マツダ「アクセラ」、スバル「インプレッサ」といったCセグメントの国産車ですら3ナンバー車だ。トヨタの量販車種である4代目プリウスの全幅は1760mm、C-HRは1795mmと、比較的コンパクトなカテゴリーながら立派な3ナンバーサイズだ。それでも、大衆車の代名詞として長らく日本市場に根付いてきたカローラのボディサイズがここまで語られることには意味がある。

カローラは、日産自動車「サニー」や「スバル1000」(現SUBARU、当時の社名は富士重工業)と相前後して、同じ年に登場した大衆車である。それまで、360ccエンジンを積んだ軽自動車はあったが、サラリーマンが手にできる乗用車として1966年(昭和41年)に登場したその3台が、庶民のためのクルマということから大衆車と分類された。

その後、サニーは「ティーダ」や「ティーダラティオ」、スバル1000は、「レオーネ」や「レガシィ」として販売されてきたが、カローラだけは名前を変えることなく大衆車路線を歩み続けてきた。そして、世界のトヨタの顔として親しまれ、2016年には累計4410万台を記録している。

5ナンバー枠にこだわってきた理由

カローラの海外仕様は、仕向地別に車種展開や車体寸法を変えており、国内に関しては、前型まで5ナンバー枠を守ってきた。海外向けが3ナンバー化しても、国内向けだけは別仕立てで開発して5ナンバー枠を守ってきたと言うのが正しい。

現行「カローラフィールダー」もボディサイズは4ドアセダンとほぼ同じ(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

なぜ、そこまで5ナンバー枠にこだわってきたのか。もともと大衆車として誕生したカローラは、単なる乗用車としてだけでなく、自営業などで仕事と兼用という利用者もあり、また、自宅車庫の制約という課題もある。より大型化して贅沢気分を味わえればいいという車種ではない。

振り返れば、そもそもカローラやサニーが誕生した当時の車体寸法は、今日の軽自動車枠とほぼ等しく、全長3845mm、全幅1485mmである。現行の軽自動車枠の寸法は、全長が3400mm、全幅が1480mmだ。

初代カローラはそれより全長が445mm長いが、カローラが4ドアセダンでトランクを備える3ボックス形状であるのに対し、現在の軽自動車は多くが2ボックスカーであるので、荷室部分を考慮するとかなり近い数値と解釈していいのではないか。また、車幅はまさしく5mmしか違わずほぼ同等だ。

つまり、もともと庶民のための大衆車として日々使いやすく運転しやすい寸法が今日の軽自動車であり、軽自動車販売が好調なのは単に税金や高速代が安いなどの経済性だけでなく、取り回しの良さが評価されている面は否めない。なぜなら、カローラやサニー、スバル1000が誕生した1960年代以降に日本のモータリゼーションは盛んになり、道路が整備され、高速道路が建設され、また駐車枠などの寸法も決まってきたはずであるからだ。

となると、少なくとも日本市場で主流となるカローラの4ドアセダンとステーションワゴンの横幅を、安易に大きく広げられない。

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