ナイジェリア中南部で洪水、100人死亡の惨事 油田地帯でも大きな被害
[アブジャ(ロイター)]- ナイジェリア中部と南部大半の地域で洪水が発生し、同国の10州で100人が死亡したと9月17日に国家緊急災害当局が伝えた。
こうした洪水は、毎年雨期になると発生する傾向がある。インフラが脆弱であることに加え、洪水発生時の対策がなされていないため、被害が拡大している。今年の洪水被害は2012年以来、最悪のものである。
過去数日間にわたる激しい雨を受けて、「信頼できる情報をもとにすると、今までのところ10州100人が亡くなっている」と語るのは、国家危機管理庁(NEMA)の広報担当サニ・ダッティ氏だ。
非常事態宣言がコギ州、ナイジャ州、アナンブラ州、デルタ州の4州で発令されており、連邦政府が犠牲者の捜索、救助、支援活動を引き継ぐことになると語った。
産油地帯でも大きな被害
デルタ州は、産油地帯。ニジェールデルタ地域に位置し、アフリカ最大のエネルギー産業の拠点である。デルタを流れる小川は大西洋に到達する前に、ニジェール川に合流するため、小川を増水させる結果となっている。洪水による原油生産への影響は報告されていない。
コギ州とナイジャ州は中部地域に位置する州であり、他の2州は南部地域にあたる。
コギ州の州都ロコジャでは、住宅に一部浸水被害が出ている。この都市は、支流のベヌエ川とニジェール川の合流地点にあたる。アフリカで3番目に長いニジェール川に面した、特に被害を受けやすい地域である。
ロコジャの定年退職者アングゥル・アトード氏は、「今月に入ってから近くを水が流れ始め、先週になって家が水に囲まれてしまった」と語った。「避難ということで自宅からこんな遠くに搬送されたが、こちらでは食べ物も何もない状態で過ごしている」。
市内周辺では、住民はカヌーを利用して家々を行き来している状態。近くには政府が建設した洪水防護壁があるが、未完成のままであった。
近年の洪水被害により、ナイジェリアでは数十万もの人々が住む家を失っている。ナイジェリアは、アフリカ最大のエネルギー生産国であり、最も人口の多い国でもある。
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