酷い争い生む不動産「きょうだい相続」の悲惨

最悪の場合、わが子の代まで争う可能性も

不動産を共有させる内容の遺言は、財産所有者の親心であることが多いのですが、この親心こそ、争いの元になりやすく、子どもからすると正直なところ、将来的に迷惑になってしまうのです。ですから、もし共有させるといった遺言があったとしても、その趣旨を踏まえたうえで、分割協議ができるとベストです。

不動産の遺産分割協議をどのように進めればいいかというと、先ほどの父親の遺言の例でいえば、まず長男がビルをすべて相続します。その代わり、長男は遺言通り、ビルの4分の1相当の金額を長女に支払います。これを「代償金」といいます。

とはいえ、長男が不動産を相続したからといって、手元に現金があるとは限りません。長女に渡す代償金を支払えない場合は、ビルを売却して現金化して分けることになります。しかし、すぐに売れるとは限りませんし、急いで売ろうとしても買い叩かれる可能性もあります。ここに不動産相続の大きな問題があります。

いずれにしても、私たちは不動産の共有をおすすめしません。たとえ父親の遺言があっても、きょうだいの仲がよければ、もう一度話し合いができますから大丈夫。モメないために、長男が仕切っていきましょう。

不動産の共有を解消するコツ

ここで私たちが提案している、不動産の共有を解消するコツを紹介しましょう。

不動産の共有でモメているパターンとして多いのは、長女、次女など、女性のきょうだいが年上で、長男がいちばん下のパターンか、または長女と長男の2人きょうだいの場合です。最近は2人きょうだいが多いので、長女、長男の不動産共有でモメているケースが非常に増えています。このような場合、共有を解消するには、当たり前ですが、どちらかがもう一方の持ち分を買えばいいわけです。では、どちらが買えばいいのでしょうか。

正解は「不動産を本当に必要としている側」です。

たとえば、長男が不動産がほしい側だとしましょう。長女が「あなた(長男)の持ち分を買ってあげるから、共有を解消しましょう」といえば、長男は「その価格では安い」などと文句をいって、この話は必ず不成立になります。そこで私たちが「このまま共有を続けて、あなた方の子どもたちの世代が相続するときが来れば、もっと苦労することになります。子どもたち同士が争ってもいいのですか」「ここは思い切って買ってしまい、少しでも早く共有を解消したほうがいいですよ」などと一生懸命説明して、不動産がほしい側の長男を口説きます。そして長男が買うと決めた場合、成立することが多いのです。

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