「世界一のAI強国」目指す中国のアキレス腱

「中国製造2025」でAI技術注力を明言

いま中国で注目を浴びるBAT以外のAI企業といえば、音声認識と音声合成技術に特化するアイフライテック(科大訊飛)。当社は理系の名門、中国科学技術大学発のベンチャー企業である。1999年設立の当社は、音声認識技術を搭載するAIをスマートフォン、自動運転車など幅広い分野に応用し、国内音声認識市場で現在70%以上のシェアを誇る。

上記4社が中国AI産業で圧倒的競争力をもつため、それが新規参入するAI企業にとって事業展開の阻害要因となっている。その状況下で、中国政府は2017年末に、百度「自動運転」、アリババ集団「都市ブレーン(スマートシティ)」、テンセント「医療画像認識」、科大訊飛「スマート音声」を中国全土のビッグデータを収集・分析できる国家クラスのAIオープン・イノベーション・プラットフォームとして認定した。

同プラットフォームは政府の主導するイノベーションの成果として公開され、政府はAI企業の新規参入促進やAI技術の実用化を図ろうとしている。

中国、特許申請で米国超えか

着々と実用化されているサービスもある。アリババ集団が出資する中国新興自動車メーカー小鵬汽車のスマートカー(次世代車)では以下のようなことが可能だ。

車に乗って「どこか近所の四川料理店に行きたい」とダッシュボードに向かって話しかけると、運転席の横に備え付けられた大型タッチパネルに数軒のレストランがリストアップされる。

同時に「どのレストランにしますか?」と音声で尋ねてくる。そして「1番目のレストランに行く」と伝えると、カーナビが起動し、音声案内でそのレストランまで誘導してくれる。カーナビに音声認識機能を備えたAIが内蔵されており、操作は話しかけるだけでできる。これはスマートカー機能のほんの一例に過ぎないが、AIを応用した製造業で経済強国を目指す、中国の国家戦略の一端と言えよう。

前述した3つのアキレス腱という懸念はありつつも、少しずつAI研究開発を強化していけば、中国は着実にAI大国に邁進すると思われる。18年7月に発表された「中国AI発展報告書」によれば、97年~17年の10年間、中国のAI関連論文数と被引用数は世界首位となり、特許申請でも初めて米国を超えたとされる。

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