「62歳独身女性」が抱える不安原因は家族 老母と子を守るだけでは全員が破綻する
80歳になるC子さんのお母さんは、C子さんによると「超がつくほどの浪費グセ」があるというのです。お母さんは、とても80歳には見えないほど元気で、毎日東京の都心部である銀座や表参道、恵比寿などの「おしゃれエリア」に出没し、ショッピングやランチ、エステざんまい。
当然ながら、お店の店員さんも上得意客には手厚い接客をするようで、お店に行くこと自体がお母さんの楽しみとなっているようでした。高額な商品でも勧められれば貯蓄を取り崩し、即座に購入。なんと、お母さんの貯蓄は「ほぼゼロ」に近い状態とのことでした。
そもそもC子さんのお母さんは、亡くなったC子さんのお父さんの「遺族年金」を受け取っており、その金額は毎月15万円程度。ご自身の年金と合わせると20万円程度はもらっています。毎月20万円の年金がもらえるのであれば、普通に生活していけそうなものですが、お母さんは、なんと毎月1円たりとも残さずにすべて使い、貯蓄を取り崩す生活だそうです。
くわえて、最近判明したのは、どうやら勧められるままにリボ払いを使って買い物をしていたのです。リボ払いは「毎月5万円」など一定額の支払いで済んだとしても、実際の金利は15%前後になるケースがほとんどです。お母さんの支払い残額は約300万円にも及び、支払いも滞っているとのことでした。
ニートの娘、浪費グセのある高齢の母親……。2人の生活の面倒を見ながら自分の老後の生活も考えなくてはならないというのでは、不安で不安で仕方がないのも、当然と言えます。
C子さんの老後資金は2200万円。一見安心そうだが…
ではC子さんはどうすればいいでしょうか。娘さんやお母さんを心配するのもよくわかります。しかし、まずは、C子さんのご自身の生活をきちんと考えることが大切でしょう。特にシングルとなれば、老後の生活費をきちんと確保しておくことが大切です。
幸いにしてC子さんは、若い頃から貯蓄に励み、1500万円の貯蓄がありました。また別途、若い頃に加入した貯蓄型の保険と個人年金保険があり、それぞれの65歳時点での満期金を合計すると700万円程度になります。つまり、合計で2200万円程度の資産はあるわけです。
一方で、C子さんが65歳になったときに支給される年金の金額は15万円程度の見込みです。C子さんはすでにマンションのローンを完済しています。そのため、現在の貯蓄金額から5万円を取り崩して生活費20万円で生活するとしても、C子さんの老後だけを考えるなら、ぜいたくをしなければ十分暮していけそうです。
現在も、C子さんの収入は手取りで20万円程度あります。通常なら65歳定年まであと3年間あるので、少しずつでも貯蓄や投資をしていけば、さらにお金は増やしていけるはず。ところが、前述のお母さんのリボ払いでの借金が判明し、どうやらその返済負担を担うはめになってしまったようです。
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