「満員電車」あと何本増発すれば緩和できる? 東海道線や中央線、東西線…主要路線を検証

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ちなみに、ある関係者に以前聞いた話では、中央線の快速線は1時間最大36本まで増発可能な設計になっているという。仮に36本運転が実現すると153%まで混雑が緩和される。だが、増備した車両の置き場所の問題などさまざまな理由により実現できていないのだそうだ。

増発が難しければ、2023年度末に予定されているグリーン車2両の増結とあわせて15両での運転にできないだろうか。その場合グリーン車2両を抜いた実質13両分の輸送力での計算になるが、国交省目標の150%であれば28本の運転でクリアできそうだ。

JR総武線各駅停車

日本で2番目に高い混雑率を記録するJR総武線各駅停車の錦糸町―両国間。現状は1時間最大26本の運転で混雑率197%だ。100%まで下げるには今の倍の本数が必要で、120%でもあと17本の増発が必要である。150%をクリアするためにも8本増の34本の運転が必要だ。せめて30本までは頑張ってほしいが、それでも171%と高いままだ。

理想は錦糸町―秋葉原間の線路を増やすことだが、この区間は密集した雑居ビルの谷間を走っている状況でとてもそんなことはできないだろう。すると列車両数を増やすしかない。

鉄道評論家の佐藤信之氏によれば、総武線各駅停車(千葉ー秋葉原間)の各駅のホームは11両編成分の長さがあるという。仮にすべて11両にして1時間最大30本にできれば混雑率は157%まで下がる。さらに、埼京線に導入されている無線式信号システムATACSを導入すれば、現在より列車間隔を詰めることができるという。これを導入できれば1時間最大30本の壁を突破し、さらに何本か増発できるかもしれない。そこまですれば150%ならクリアできそうだ。

実は複々線化計画があった?

東京メトロ東西線

東京メトロ東西線は1時間最大27本運転で混雑率199%、なんと定員の2倍を乗せて走り、混雑率日本一である。目下、列車増発を可能にするため、南砂町駅のホーム増設や九段下―飯田橋間の配線改良工事が実施されている。これによって幾分か列車増発が可能になるらしいのだが、具体的な増発可能本数は公表されていない。

そんな東西線であるが、実は営団時代には東西線の複々線化計画が存在していたという話がある。私が以前、小竹向原駅付近のトンネル・線路増設工事について調査していたときに関係者に聞いた内容だが、かつて東西線の西船橋方面から大手町までの複々線化計画があったという。この計画では、都心部の区間は現在の線路の直下に新線を建設し、有楽町線・副都心線の千川・要町駅のような重層構造にすることを考えていたそうである。

現在の東西線は定員の2倍を運んでいるので、混雑率100%にするには今の倍の本数が必要だ。120%なら18本増の45本運転。これは複々線化が実現していれば可能だったであろう数字である。

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