朝の京王線、「渋滞」しても追突しないワケ

安全を守るシステムはこんなに進化している

ラッシュ時の京王線は後続の列車が見えるくらい多数の列車が走っている(写真:tarousite / PIXTA)

朝ラッシュ時に多くの列車を走らせ、都心部へと人を送り込んでいる京王線。この時間帯、新宿へ向かう列車はスピードが遅く、特に明大前駅に近づくと線路上で一旦停止することも多い。同駅の上りホームにいると、列車が発車する前に後続の列車がすぐ近くまで来ているのが見えることもよくある。京王線利用者でなくても、何本もの列車が線路上で待っている写真を見たことがある人もいるだろう。

しかし、「こんなにいっぱい列車が走っているのに、なぜぶつからないの?」と疑問に思う人も多いのではないか。

一定の間隔を保てるワケは?

もちろん、追突事故が起きたら大問題だ。そのような事態が起きないようにしていることは誰でもわかる。

では、前の列車が見えるくらいの間隔で、どのようにして安全を保っているのだろうか。単に「運転士が前方を見ながら適宜ブレーキをかけてがんばって運転している」だけではない。ちゃんと安全に運行できる装置があるのだ。

京王電鉄の各線には、「京王ATC」と呼ばれる、京王向けの自動列車制御装置(ATC)が導入されている。この装置では、先行列車との間隔やポイント(分岐)、下り勾配、停車駅などの条件をもとに、つねに適切な速度で列車を運行できるようにきめ細かく制御している。

京王線では、信号や制限速度の表示は線路脇にはない。運転台の速度計に、時速何kmまでスピードを出していいかの表示が出る。それに合わせて運転士は列車を動かす。スピードを落とす必要があるときには、その指示が速度計に出る。一般には運転士もあわせてブレーキをかけるが、万が一運転士が忘れた場合でも自動でスピードを下げ、先行列車に近づきすぎればブレーキがかかって停止する。

次ページ速度の指示はどうやって車両に送られる?
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