「満員電車」あと何本増発すれば緩和できる? 東海道線や中央線、東西線…主要路線を検証
■東急目黒線
目黒線は国交省の「主要31区間」には入っていないが、
現在は6両編成で1時間最大24本の運転により混雑率171%となっている東急目黒線は、今後8両編成へと車両を増やすことになっている。本数も増やすつもりがあるかはわからないが、8両編成で1時間最大31本にすれば混雑率100%が実現する。
だがこれは「今後も今の利用者数のままなら」の話だ。8両編成化の計画は2022年の相鉄との直通開始を見据えてのものである。鉄道・運輸機構によると相鉄・東急直通線と相鉄・JR直通線の利用者数は1日計26万人に上ると予測されており、仮に上りが半分の13万人として、このうちの2割が朝に目黒線を経由して都心まで向かうとすれば、8両編成で1時間に30本の運転であったとしても混雑率は175%となり、今よりも悪化する。
実際には目黒線に流れる利用者数がこれより多いか少ないかわからないが、本当に8両・複線運転で足りるのだろうか。目黒線利用者の皆様は相鉄との直通運転開始の日を覚悟して迎えることとなるだろう。
列車の詰まりを減らす工夫
■京王線
京王線は1時間最大27本運転で混雑率167%となっている。100%へ下げるにはあと18本、120%を目指すならあと11本の増発が必要だ。
京王は、一部の駅ではユニークな取り組みによって列車の詰まりを少しでも減らす取り組みがなされている。
たとえば急行と各停の待ち合わせの際、通常は本線に急行、待避線に各駅停車が入線するが、これだと急行の発車後も各停が駅から抜けるまで次の各停が入れず、後続の急行も詰まる。
そこで、この対策として待避線の各停が発車すると同時に本線に後続の各停を入れ、その後空いた待避線に急行を入れる。
つまり本線に急行を入れるパターンと待避線に急行を入れるパターンを交互に繰り返すことによって、待避駅手前での列車渋滞を防止しているというわけだ。
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