アメリカ「北朝鮮戦略」のヤバすぎる混乱状態 ポンペオ国務長官の訪朝は直前で取り消し
こうした中、支持率低迷に直面している文大統領がアメリカとの隔たりをあからさまにするような動きはしないだろう、という見方がアメリカの専門家間で大勢だ。しかし、中にはアメリカの韓国に対する厳しい対応は、両国関係に亀裂をもたらすのではないか、と懸念する向きもある。
いずれにしても、国連が今週、北朝鮮における深刻な食糧危機を宣言すれば、国連決議を破らずとも韓国は大規模な食糧支援を提供することができる。
中国の本心はどこにあるのか
一方、中国については、中国が北朝鮮への圧力を緩和しているとのトランプ大統領の主張とは裏腹に、アメリカ国家安全保障当局者は全員、中国政府は特にエネルギーと食料について大規模な制裁を続けていると考えている。一方で、国境貿易と中国の銀行を通じたハードカレンシー(国際通貨)のやり取りに対する規制は、いくぶんか弱まっている、と考えている。
中国の習近平主席は来月9日、金委員長とともに北朝鮮でパレードを見物する予定だ。アメリカ国務省関係者は、中国政府は責任ある大国とみなされることを望んでおり、そのためにも核問題に関して北朝鮮から何らかの譲歩を引き出してくれるのではないか、と今も変わらず期待している。
とはいえ、習主席が金委員長に対して重要な新たな措置を強く求めるという根拠はない。「中国は単純に北朝鮮に対してプロセスを進展させ続けることを求めている」と共和党の元安全保障当局者は述べる。「中国が気にしていることはそれだけだ」。
さらに当局者らが見張っているのがトランプ大統領である。ポンペオ長官の北朝鮮訪問を取り消すというトランプ大統領による突然の決定は、ポンペオ長官との一対一の会談の後に行われた。この訪朝を推し進めていたのは大統領自身であり、金委員長に対してポンペオ長官を迎えることを求める手紙を送ってもいた。
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