営業益2.2兆円! 復活トヨタの凄みと悩み リーマン前の過去最高益も視野。ただ懸念材料も

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増益幅の大半は円安効果

2013年度第2四半期(2013年4~9月期)の営業利益は1兆2554億円で、前年同期比81.0%増の大幅増益となった。が、対前年同期比の増益幅5617億円のうち、実に5400億円が円安効果によるもの。原価改善の効果も1400億円あるが、円安効果に比べるとどうしても見劣りしてしまう。しかも、労務費や研究開発費、減価償却費など、諸経費の増加で大半は食われてしまった。

第2四半期累計の世界販売台数は446.8万台(前年同期は451.6万台)。8月時点想定の451万台に達しておらず、決して順風満帆とはいえない。

通期予想は期初想定の910万台を維持したが、地域別では北米が好調な反面、タイやインド、インドネシアといったアジア市場は減速するなど、まだら模様だ。少なくとも販売台数が大きく上振れする状況にはなく、計画を達成できたとしても、前年同期比で2.6%増でしかない。

来期以降も販売台数の大幅な増加は見込めない。小平信因・副社長は「米国経済は引き続き堅調、欧州経済は底入れを期待する。他方、新興国市場は国によってばらつきある。米国の金融緩和が段々と解除されていくと新興国に影響がある」と不透明感を指摘したうえで、「収益構造の改善をこれからも地道に進めていくことに尽きる」とした。

トヨタらしく、地道な収益改善の継続によって1000億円単位の利益積み上げは実現できるはずだ。それでも、1兆円近い増益となる今期と比べると、来期の減速は避けられそうにない。

山田 雄大 東洋経済 コラムニスト

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やまだ たけひろ / Takehiro Yamada

1971年生まれ。1994年、上智大学経済学部卒、東洋経済新報社入社。『週刊東洋経済』編集部に在籍したこともあるが、記者生活の大半は業界担当の現場記者。情報通信やインターネット、電機、自動車、鉄鋼業界などを担当。日本証券アナリスト協会検定会員。2006年には同期の山田雄一郎記者との共著『トリックスター 「村上ファンド」4444億円の闇』(東洋経済新報社)を著す。社内に山田姓が多いため「たけひろ」ではなく「ゆうだい」と呼ばれる。

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