セブン、1万店で挑む「売り場大改装」の勝算 創業後初の大幅変更に踏み切った真意とは
”一強多弱”といわれるコンビニ業界では、長年、店舗数や日販(1日当たり1店売上高)でセブンが競合他社を圧倒してきた。2016年9月にサークルKサンクスがファミリーマートとブランド統合を果たしたことで、店舗数でこそファミリーマートが猛追しているが、日販の差は相変わらず縮まらない。
セブンの全店平均日販は65.3万円(2017年度)と、ローソンの53.6万円(同)やファミリーマートの52万円(同)に10万円以上の差をつける。ただ、セブンは自らのピークである2011年度の66.9万円を抜けずに、ここ数年横ばいが続いているのも事実だ。全店日販では70万円の壁をなかなか越えられない。
セブンの日販は横ばいが続く
セブンとしては、中食を強化することで、スーパーやドラッグストアから客を奪い日販を増やす構えだ。実際、今回のレイアウト変更で約1.7万円(新レイアウトに改装後10カ月経過した店舗の5月度の実績)の押し上げ効果があったという。冷凍食品を筆頭に、総菜などの売り上げが伸びた。
さらに、セブンをはじめとするコンビニは、人手不足や人件費の上昇により加盟店の負担が増している。力を入れる総菜などのカウンター商品や保存の利く冷凍食品は、いずれも利益率の高いカテゴリーだ。新レイアウトの導入で、日販に加え、粗利も増やしたいという思惑もあるだろう。
ある競合関係者は「これまでのレイアウトは店内での買い回りを緻密に計算したものだった。新レイアウトはデイリー品や冷凍食品の売り場とその他の日用品、酒類などの売り場が左右に分断された印象があり、”ついで買い”の誘発はしにくいのではないか」と指摘する。
コンビニ業界のガリバーは、新レイアウトへの転換効果を最大限に生かすことで、今後の成長を確かなものにできるか。
セブン&アイ・ホールディングスの株価・業績 は「四季報オンライン」で
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら