「介護付き老人ホーム」は本当に高すぎるのか 「おひとりさま」なら今から考えておきたい

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そんなとき、別の友人宅に、近所に新しくできる介護施設のパンフレットが投かんされました。友人から聞くと、それは百合子さんが探していたタイプの施設でした。高層部分が元気な方の住まい、そして、介護状態になったら、追加料金なしで下層階のお部屋へ移動して、面倒を見てもらうことができます。いつ体が動けなくなっても安心です。  

なによりも、息子やお嫁さんに頼らなくてすみます。第1条件の「駅からの時間」も徒歩2分。見学に行くと、入居者向けに複数のカルチャー教室も用意されており、外出しなくても習い事ができそうです。理容室も大浴場もあり、自由に利用できます。食事はキッチンで作ることもできるので、お料理をしたい百合子さんにぴったりです。施設内のレストランでも自由に食事が楽しめます。応接室を借りれば、息子たちが来たとき一緒にくつろぐこともできます。もうすっかり気にいって、見学した施設に契約の予約を入れたのでした。

「介護型」と「住宅型」どちらがいいのか

一方、それと並行して所有する自宅とアパートの売却が進められました。幸い、駅近のアパートは売り出しから1カ月で、自宅も3カ月で売却できました。2つ合わせて6000万円の売却代金で、入居金は支払えます。一時金は2600万円のタイプ。月々16万円と食費(実費)の生活が始まることになりました。百合子さんの年金は月17万円ありますから、年金のなかで収まり、ほかに大好きな旅行や趣味も十分に楽しむこともできます。これで介護状態になったときの心配もいりません。引っ越しの日を迎えたときの百合子さんの明るい笑顔が忘れられません。

しかし、この百合子さんの例を読んで「介護ケア付き老人ホームって、やっぱり高すぎる!」と思っている方も少なくないと思います。高いところだと入居金に1億円かかるところもあり、都心の高級マンションが買える金額なので、「お金持ちしか入れないじゃないか」「そんなお金を払う価値があるのか」と思うのも当然です。ではその内訳はどうなっているのでしょうか。

老人ホームには大きく分けて介護型と住宅型があります。介護型は老人ホームに入居し、介護費用を入居一時金で支払います。そうすることで、将来介護費用が発生しても、料金は定額制になっているので負担が大きく増えない仕組みになっています。

それに対して、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)といった住宅型施設は、普通に生活するための住宅です。毎月13万〜16万円ほどで生活しているケースが多いようです。建物内にヘルパーさんがいる介護施設が入っているのが特徴です。月々の支払いには、介護費用などはいっさい含まれていません。一見、さほど高くないように見えますが、介護が必要になった場合、別にヘルパー代が必要になってきます。

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