ホンダ「クラリティPHEV」は一体何がスゴいか エコなだけじゃなく乗り味の良さにも唸る

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環境車というと、効率重視で走りが味気ないイメージを抱きがちだが、クラリティPHEVのハンドルを握って走り出したとき、思わずニヤリとしてしまった。その時の印象を端的に表現するとすれば、「乗り味の良さに唸らされた」というのが最適な表現だ。

運転席に座ってスタートスイッチを押すと……(写真:ホンダ)

運転席に座ってスタートスイッチを押すと、エンジンが掛かる音がなく、電子音で走り出す準備が整ったことを伝えるあたりが未来的な演出。モーターによるシームレスな加速に加えて、車両の適度な重たさも手伝って、滑らかな動きとともに走り出す。

荒れた路面では、時折ゴロついた振動を受け取る瞬間があることは否めないが、路面のうねりや継ぎ目を乗り越えるときは、ガッチリしたボディがしなやかな足さばきで入力をいなし、タイヤを丁寧に路面に沿わせながら、フラットライドな走りを披露する。

素直なハンドリングを実現

多くの電動車は減速エネルギーを回収する「回生ブレーキ」を採用しているが、クラリティPHEVの場合、カーブの手前でアクセルを抜くと、軽くブレーキを掛けた時と同じような減速感が発生する。その際、車両は自然と前傾姿勢に持ち込まれて曲がりやすい体勢が整う。車体の中心付近の低い位置に重量物を配置していることによって、素直なハンドリングを実現しており、クルマと一体感を得て走る愉しさにつながっているのだ。

また、モーター走行時は、エンジンの振動から解放されるぶん、加減速の際に車体が前後に揺すられにくい。車速もコントロールしやすいので、運転に不慣れなドライバーでもイメージ通りに走らせやすく、リラックスした気分でドライブできそうだ。回生ブレーキの減速度はハンドルに備え付けられているパドルで調節できる。

走行モードを切り替えて、SPORTモードで走行時に回生量を最大にした場合、アクセルペダルから足を離すと、まるでブレーキペダルを踏んでいるかのように強めの減速が始まって、アクセルペダルのオンオフ操作で車速が調節できる。ブレーキペダルとの踏み替えを頻繁に行わずに走れる点では、イージードライブができそうだ。

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