ホンダ「クラリティPHEV」は一体何がスゴいか エコなだけじゃなく乗り味の良さにも唸る

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市場拡大の兆しをみせているのが、PHEVだ(写真:ホンダ)

いま私たちにとって、最も身近な電動車はエンジンとモーターを連携して走るハイブリッド(HV)だが、EVとHVカーの間を埋める一歩先の現実的な選択肢として、市場拡大の兆しをみせているのが、PHEVだ。

ホンダのクラリティも排ガスが出ないゼロエミッション車としてはFCVやEVにインパクトはあるが、シリーズ中でボリュームリーダーとなりうるのはPHEVだ。HVと同様の航続距離の長さと、コンセントから充電可能な大容量バッテリーの搭載によって、HV並みの手軽さで向き合えて、EVの走行感覚が得られる時間が長い“いいとこ取り”の仕組みは身近な電動車として受け入れやすい。

車両価格は高級車を手にする価格帯に位置する

ただし、その反面、車両価格は高価になりがちだ。エンジン、モーター、大容量のバッテリーを搭載するとあって、車両価格は588万600円(8%消費税込)。高級車を手にする価格帯に位置することになる。

クラリティPHEVは、車格でいえばマツダ「アテンザ」やメルセデス・ベンツ「Cクラス」が属するDセグメントにあたるセダン。エンジンと2つのモーターをエンジンルーム内に搭載し、床下にバッテリーを含めた大型ユニットを配置している。

全高は1480mmと低めに設定しながらも、燃料タンクはトランク下に格納することで、大人5人がくつろげる室内空間と、ホンダのHVセダントップの広さの荷室空間を確保したパッケージングを実現。静かで快適で滑らかな走りが得られるモーター走行のメリットを生かして、新時代の電動プレミアムカーを目指して作りこまれた。

クラリティPHEVのスタイリングは、ワイドに構えたフォルムの中に、9灯式のフルLEDヘッドライトからつながるL字型のLEDポジションランプを採用。よく見ると、フロントグリルは開口部を狭め、空気抵抗を減らす専用デザインを採用している。堂々とした構えの中に上質さや洗練性を感じさせる姿は、ホンダのプレミアムセダンらしいクールな佇まいを印象付ける。

また、18インチのアルミホイールは空気の流入を抑える機能的なデザインのものを採用。F1マシンの開発でも活用されている風洞を使って開発が進められたというウンチクが聞こえるあたりも、ホンダらしいチャレンジスピリットが感じられて、夢があるではないか。

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