出直しLCC、バニラ・エアは飛躍できるか エアアジア時代の失敗を糧に12月20日就航

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
画像を拡大
機内では、社名にちなんだバニラクリーム入りのパンを購入できる

エアアジア時代のもう一つの大きな反省点が、「定時運航率の低さ」だ。

一定規模の単一機材(同一の機種)をいかに多頻度運航して有効活用できるかが、LCCを経営していくうえでの重要なポイント。逆を言えば、一つの便が遅れてしまうと、それ以降に続く便がドミノ倒しのように遅延してしまい、それだけ欠航も生じやすくなる。

実際、エアアジア・ジャパンは就航当初、運航オペレーションの不手際もあって定時に発着できない便が多発した。

その結果、成田空港の“門限”である23時(条件付きで24時まで離着陸可能)を過ぎてしまい、欠航となる便も出た。遅延が多発してしまったことが、苦戦の一因であることは間違いない。

定時運行85%を目指す

画像を拡大
「かつてないLCCにする」と決意を語る石井社長

石井社長は「エアアジア・ジャパンの定時運航率は70%台半ばだったが、バニラ・エアでは85%を目標に引き上げていく。欠航率も1%未満に抑えたい」と意気込む。

エアアジア時代の最大の弱点だった自社サイトには、改善のメドがついた(初日の11月1日にはチケット申し込みが殺到したためか、繋がりにくくなる状況が発生したが、2日には改善している)。

次なる課題は、運航オペレーションの精度を高めることで定時運航率を引き上げられるかどうか。バニラ・エアとして運航を開始するのは12月20日。その初便からの1便1便の積み重ねが重要になる。

猪澤 顕明 会社四季報オンライン 編集長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いざわ たかあき / Takaaki Izawa

1979年生まれ。慶應義塾大学卒業後、テレビ局勤務を経て、2006年に東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、ニュース編集部などに在籍。2017年国内のFinTechベンチャーへ移り、経済系Webメディアの編集長として月間PVを就任1年で当初の7倍超に伸ばす。2020年に東洋経済へ復帰、「会社四季報オンライン」編集長に就任。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事