チェコ「鉄ちゃん」イベントは和気あいあいだ みんながマナーを守って楽しむ「お祭り」

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子供の日のイベントに合わせて運転されたプラハ地下鉄の旧型車両。イベント参加者だけではなく普通の利用客も乗車可能(筆者撮影)

一方、プラハ交通局もチェコの子供の日に合わせて、市内各地でイベントを開催した。

その中でも目玉となったのは地下鉄車庫の一般公開だ。車庫までのアクセスとして特別列車が運行されたが、これには保存されている旧型電車が使用され、子供の日のイベントではあったが、子供ではない人もかなり大勢乗車していた。またこの日、同時に開催されたブラニク駅のイベント会場との間は、特別に仕立てられた旧型ディーゼルカーが結んでおり、こちらも満員で運行されていた。

運転室の見学に並ぶ親子連れ。やはり一番人気で、長い行列ができていた(筆者撮影)

車庫内では、普段は目にすることのない検査のためにジャッキアップされた車両などが見学でき、中でも特に子供たちに人気だった地下鉄車両の運転席見学には長い行列ができていた。屋外では交通局やチェコ鉄道が缶バッジやペーパークラフトを無料で配っており、その並びのワークショップでは子供向けに塗り絵やクラフト製作のコーナーが設けられていた。

和気あいあいとした「お祭り」

プラハ・ブラニク駅の様子。鉄道車両の展示はもちろん、子供の日に合わせて多くのイベントが開催されており、ステージでは子供たちのパフォーマンスも行われていた(筆者撮影)

特別列車でブラニク駅まで移動してみると、蒸気機関車や電気機関車、旧型の貨車や客車など多くの車両が展示されるとともに、駅構内には飲食店の屋台が並び、さながらお祭りの様相を呈していた。

このブラニク駅では鉄道関連の展示に加え、パレット積み貨車の荷台をステージに仕立て、子供たちがダンスや楽器演奏など、パフォーマンスを披露する会場にもなっており、まさに子供の日のイベント会場となっていた。

チェコでのイベントに参加してみて感じたのは、まだどこかに、古きよき時代の和気あいあいとした風景が残っていたことで、どのイベントもお互いが譲り合いながら、皆がきちんとマナーを守って楽しんでいたことだ。多くのイベントは、熱心な鉄道ファンだけではなく家族連れが多く訪れており、笑顔でカメラを構える鉄道少年たちの姿も多く見かけた。

この先も、同国や周辺の中欧地域における鉄道趣味が、健全に発展していくことを願ってやまない。

橋爪 智之 欧州鉄道フォトライター

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はしづめ ともゆき / Tomoyuki Hashizume

1973年東京都生まれ。日本旅行作家協会 (JTWO)会員。主な寄稿先はダイヤモンド・ビッグ社、鉄道ジャーナル社(連載中)など。現在はチェコ共和国プラハ在住。

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