「2階建て高速列車」フランスがこだわる理由

日本ではもうすぐ消える運命だが…

大宮駅へ進入するE4系MAX。東北新幹線からの撤退以前に撮影(筆者撮影)

2017年3月、JR東日本は2階建て新幹線E4系MAXを順次E7系へ置き換えると発表し、数年以内に日本の新幹線から2階建て車両が姿を消すことになった。1985年、東海道新幹線にデビューした100系以来、2階建て車両が運行され続けてきた日本の新幹線だが、もう間もなくその歴史も潰えることになる。

E4系は1997年に、東北・上越新幹線で当時増え続けていた多くの通勤客をさばくため、初の全車2階建て新幹線だったE1系の後継車種として誕生した。2編成併結時の最大定員は1634人と、最高時速240キロメートルで走行する高速列車としては世界最大の輸送力を誇った。

高速列車の2階建てはフランスだけに

しかし誕生から20年が経過し、社会情勢は大きく変化した。近年は、新幹線定期券の利用者数が減少傾向にあると言われているほか、車体が大きく重いことから、時速240キロ以上の高速運転ができないため、高速化が進む中でダイヤの上でもネックとなっていた。もともとラッシュ時の通勤輸送に主眼を置いた設計のため、普通車自由席に見られる3+3の座席配置など、サービス面をやや犠牲にしている点も、後継車が開発されなかった理由といえよう。

ヨーロッパにおいても、高速列車に2階建て車両が採用された例は、現時点ではフランスのTGVしかなく、他はすべて通常の車体となっている。ヨーロッパ各国の都市は日本ほど人口が多くなく、2階建て車両を必要とするほどの需要がないというのが主な理由で、フランスはヨーロッパ全体から見れば特殊だ。それではなぜ、フランスはTGVに2階建て車両を導入しなければならなかったのか。

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