不妊治療500万円!42歳専業主婦の深い悩み 子供を授かるためにお金はどこまでかける?

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6回程度、人工授精にチャレンジしたそうですが、それでも妊娠に至らず、ついに「体外授精」を行うことになりました。A子さんは、「高額だけど、妊娠する可能性が高い」と評判のクリニックに通院することにしました。この頃には、治療で使う薬の副作用が強かったり、なかなか妊娠しないことのへのあせりがあったりで、精神的にも不安定になり、結局、仕事を辞めることになったそうです。

体外授精の費用は、クリニックなど個々の医療施設にもよりますが、1回100万円程度というのが標準的な費用とされています。A子さんが仕事を辞めたうえに、1回100万円以上の費用がかかりますから、毎月の家計からのやりくりだけでは足りず、貯蓄を取り崩すことになってしまったのです。費用もかかるし、今回で辞めようと思いつつも、「次こそは授かるかも!」と、なかなか「ふん切り」をつけられずにいたそうです。

不妊治療に熱心になるあまり…、夫との仲が険悪に

まじめなA子さんのことです。不妊治療だけではなく、それと並行してスイミングスクールに通ったり、良質なサプリメントを飲んだり、無添加の食材にこだわったりと、日常生活でも健康になるように努めました。

また、週末は、ご主人と子どもが授かると評判の神社にお参りにいったり、妊娠しやすい温泉があると聞けば、旅行がてら温泉につかりにいったりと、不妊治療以外の費用もかさむようになってしまいました。

それでもなかなか妊娠しないので、A子さんは、占いを受けにいきました。そこまではよくわかるのですが、その占い師から、「妊娠しやすいつぼがある」と聞き、藁(わら)にもすがるつもりでそのつぼを購入したというのです。その金額はなんと、100万円でした。

この高価なつぼで「冷水を浴びると、妊娠する可能性が高い」と説明を受け、A子さんは毎日冷水を浴びたそうです。その姿を見ていたご主人は、「君がとても子どもが欲しそうだから僕もできる限り協力してきた。でも変な占いにまで走ったりするし、僕は精神的にも金銭的にも限界だ!」と、ついにキレてしまったそうです。

その日を境に夫婦関係もギクシャクしてしまったA子さんご夫婦。そこでA子さんは、いちばんの心配だったお金のやりくりや今後のマネープランについて、第3者の客観的な意見を聞こうと、相談にいらしたのでした。

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