「500ページの夢の束」は勇気を与える映画だ

自閉症の女の子が「あきらめない強さ」教える

9月7日公開予定の『500ページの夢の束』。自閉症を抱える女の子が主人公で、脚本コンテストの応募作品を届けるために、ひとりハリウッドを目指す (東洋経済オンライン読者向けプレミアム試写会への応募はこちら) ©2016 PSB Film. LLC

アメリカ疾病対策センター(CDC)の調査によると、アメリカではおよそ68人に1人の子どもたちが自閉症スペクトラムと診断されているという。それはアメリカのみならず、先進国でも自閉症の子どもたちが増加傾向であるといい、日本も例外ではない。

8月23日(木)にプレミアム独占試写会を開催します(上記バナーをクリックすると応募画面にジャンプします)

そして、9月7日に日本で公開予定の映画『500ページの夢の束』に登場する21歳のウェンディも自閉症を抱えるひとり。彼女はソーシャルワーカーの協力を得て、シナモンロール屋でアルバイトを始めるなど、社会とつながりを持とうとしている。そんなウェンディだが、人気SFシリーズ『スター・トレック』の知識では誰にも負けない。同じショッピングモールに働く『スター・トレック』ファンが彼女にクイズ合戦を挑んでくるが、驚異的な知識量で圧倒する。『スター・トレック』は彼女が社会と向き合う接点でもあるのだ。

そんな『スター・トレック』の誕生50周年を記念して、脚本コンテストが開催されることを知ったウェンディは、夢中になって500ページの大作を書き上げる。しかし、とあるすれ違いから、姉のオードリーと口げんかをしてしまったウェンディ。

「スター・トレックの脚本」を届けるために一人旅立つ

ショックを受けた彼女はそのまま寝込んでしまい、翌朝、気づいた時には郵送での締め切り時間を過ぎてしまったことを知る。彼女は涙をこぼして悔やむが、やがて自分で直接、ロサンゼルスのパラマウント・ピクチャーズ(『スター・トレック』の映画会社)まで直接届けようと決心する。自立支援ホームを抜け出し、愛犬と一緒にハリウッドまでの数百マイルの旅に向かう――というのが本作の物語だ。

『スター・トレック』の何がそれほどまでにウェンディを引き付けるのか。同作に登場する人気キャラクターのスポックは地球人とバルカン星人とのハーフで、感情をうまく表現できない人物として描かれる。

そこにウェンディは自分自身を重ね合わせているのだ。それゆえに500ページにわたってウェンディが語り尽くした『スター・トレック』の物語は、彼女の伝えたい思い、切実さが詰め込まれている。そんなウェンディが書いた物語と、現実が二重構造でシンクロしていくさまも本作の見どころとなっている。

次ページ脚本家は熱狂的なスター・トレックファン
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 育休世代 vs.専業主婦前提社会
  • 若者のための経済学
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
かんぽ まさかの10月営業再開<br>日本郵政グループの不適切判断

日本郵便本社が発した「10月からかんぽ営業を段階的に再開」との緊急指示に、現場は大混乱。乗り換え勧奨禁止などの再発防止策、7月末に実施を発表した全件調査、特定事案調査にも大きな問題を残したままだ。拙速な営業再開の裏には何が。