あのLDHがカンヌで語った「世界戦略」の全容 メインステージのプレゼン全文を掲載

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VERBAL:皆さん、こんにちは。VERBALです。まずは、LDHについてです。HIROさんなしでは、この会社の話は始まりません。創設者で、現在、LDH JAPANの会長であり、LDH WORLDのチーフ・クリエイティブ・オフィサーです。少し彼のことについて話をさせてください。

LDHの創業者であるHIRO氏(写真:LDH)

HIROさんは、2003年に古くからの友人とともに、LDHを設立しました。彼らとは、夢を語り合っていました。双子の森兄弟です。今では、彼らはLDHの社長と副社長になっています。創設当時は、会社はとても小さい会社でした。

HIROさんは、ダンサーである自分が年をとったらダンスを続けられない日がいつかくるということをわかってました。

しかし、彼は堂々と、こう言っていました。「ダンサーである以上は、アーティストのようにお金をもらったり、ロイヤルティーをもらったりはできない。たとえば、最高の振り付けを編み出したとしても、楽曲のようにロイヤルティーはもらえない。」と。彼は友達と自分が一緒に夢を叶えられるような、何か新しいシステムを必要としていました。

そんな思いで、2人のボーカリストと仲間のダンサーたちで結成したのが、EXILEです。それがすべての始まりでした。

EXILEというグループは、最初からボーカリストとダンサーが一体となったグループでした。ダンサーが付いたボーカリストグループではないんです。そのスタイルはとてもユニークで、活動を始めてすぐにファンの心をとらえました。2001年にEXILEとして結成した当初は、6人組のグループでした。その後メンバーは増え、19人にまでなりました。

名前や技を、受け継いでいく

VERBAL:そこからEXILE THE SECONDが生まれました。ご存じかわかりませんが、ウータン・クランとか、キラーミーみたいに彼らは、新しいグループをどんどん生み出していきました。第三世代となる、三代目 J Soul Brothers、今では、第四世代となる、Jr.EXILE世代もいます。

(スライド:LDH)

基本的な考え方は、EXILEという名前をつなげること。EXILE HIRO、EXILE MAKIDAIみたいに。エイサップ・ロッキー、エイサップなんとか、みたいな感じでその名前をずっと付けていくんです。その名前を使っていたとしても、永久に踊り続けなくてもいいんです。その名前や技を、受け継いでいくだけ。そして会社は、いろいろな新しいアイデアやキャリアをサポートする。だから、HIROさんもそうだったけど、そのアーティストグループから卒業していく感じなんです。HIROさんのときには、事業展開に集中するためにグループを卒業し、それを今も続けています。卒業したメンバーをLDHはサポートし続けます。LDHが作り上げてきた最大のエンターテインメント形態はライブです。

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