「私が傷つく言葉を言われても、守ってくれたのは、他人であるナースさんだったんです。自分の父親に何も言えない元夫を見て、悲しくなりましたね。ヘタレってこういうやつをいうんだと思いました。お父さんが怖い怖いという環境で育ってきたら、こうなるのかなと。絶対にこいつには頼れないって思いました。
あと、この義父の態度を見て、絶対に第二子は生まないって決めたんです。こんなお義父さんの子孫を一人でも増やしたくないと思いましたね」
手も繋ぎたくないほどの嫌悪
麻美さんは、出産後は退職したため、実質は和也の収入に頼る生活が続いた。麻美さんにとって、専業主婦生活はとにかくむなしいの一言だった。和也は、休日は法事だ何かと理由をつけて娘を連れて、実家に帰りたがる。しかし、実家に帰ると、大嫌いな義父とそんな父親に媚びる和也がいるのだ。
「元夫は、親の前では突如として良いパパになるんです。家でやらないという家事も実家だと手伝う。それで、お義父さんに『和也はイクメンだなー、甘いなー』とか言われて、うれしそうにニコニコしている。
私もそれにはうんざりして、『家ではこんなにやりませんよ』と思わず反論したら、『なんでお前はわざわざそういうこと言うんだ!』と怒られて、結局私が悪者になるんですよ。元夫は、親父の言うことが正しいということもあって、実家訪問の帰りはいつも喧嘩してましたね」
娘が生まれてからは、和也に触れられるのも嫌になるほど嫌悪感が募り、セックスレスとなった。
「結婚式でお義父さんと揉めたあたりから、急激に私のほうが冷めて、元夫とはしたくなくなりましたね。この人は、私のことを助けてくれないんだと感じると、まったく気持ちが乗らないんです。娘が生まれて以降、何回か体を求めてきたこともありましたが、嫌だとか痛いとか言って、拒否していました。
元夫に触られると、猫が毛羽立つようにゾゾゾと全身に悪寒が走ったんです。そのくらい嫌でした。手を繋ぐのさえ拒否していたくらいです」
当時は2LDKのマンションで、親子3人で寝ていたが、和也が布団に入ってくると、麻美さんは娘の布団に逃げ込み、和也とはいっさい肌を寄せ付けない日々が続いた。そんな麻美さんの態度に、和也は「セックスレスは、離婚の慰謝料の原因になるんだぞ!」と脅迫的な言葉を発するようになった。
和也の給料は、当時手取り約月25万円。その中から毎月3万円を和也にお小遣いとして渡していた。ある日、麻美さんは、給与の振込口座から、16万円が引き出されていることに気がついた。タンスの下からたびたびパチンコ雑誌が見つかったこともあり、麻美さんは、すぐにパチンコですったのかと、ピンときた。
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