「不機嫌な40代」が職場をむしばむ根本理由 実は貫録なんてないほうがいいかもしれない

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齋藤:そういえば、手塚治虫文化賞の贈呈式での矢部さんのスピーチは、非常に印象的でした。矢部さんは、事あるごとに大家さんから「矢部さんはいいわね、まだまだお若くて何でもできて。これからが楽しみですね」と言われていた。その言葉を聞くうちに、本当に何でもできるような気がしてきたとおっしゃっていましたね。

矢部:90歳近い大家さんにしたら、確かに僕ってまだまだ若い。だから当時、本当は38歳なのに、18歳だと思い込むようにしました。そしたらふっと「何でも挑戦できるし失敗もできる」と前向きになれたんです。大家さんの言葉があってこそ、マンガにも挑戦できた気がします。

若くて元気な学生といることで、若返ってくる

齋藤:余計なものをスッパリ断って「自己肯定」すれば、チャレンジ精神も自然と湧いてきます。僕の場合は矢部さんと逆で、いつも一緒にいるのが大学生なんですよ。1年生から教え始めて、22歳まで育てたと安心したら、新学期になったとたん相手が18歳に逆戻り。いつも僕だけが実年齢的に年をとって、相手は永遠に若さを保っているんです。すると、何が起きるか。若くて元気な彼らと一緒にいることで、僕自身も若い気がしてくる(笑)。

矢部:まるで若返り装置!

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齋藤:そんな環境だからつねに上機嫌なんです。昨日も授業後にエレベーターを待ってたら「先生っていつもハッピーですねぇ」と学生にあきれられました。ただ体を動かしながらエレベーター待ってただけなのに。

矢部:いや、それは「ハッピー」です(笑)。何かいいことあったんですか?

齋藤:特にないんですけど、僕は授業するだけで機嫌がよくなるんですよ。楽しくてノリノリになっちゃうんですよね。

矢部:ノリノリなのはともかくとして(笑)、先生の上機嫌さは学生にも伝わるかもしれませんね。

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