市場がついにトランプ大統領を見捨て始めた

日本も米国も、関心は徐々に企業の収益へ

米国内の外交の専門家などからは、こうした大統領の対ロ姿勢について、非難が寄せられている。たとえばリチャード・ハース米外交問題評議会(the Council on Foreign Relations)議長は、7月16日付のツイッターで、トランプ氏がやっていることはNATO(北大西洋条約機構)や米英・米欧関係を損なうものであり、「アメリカファースト」はまるで「ロシアファースト」のようになった、と語っている。

また、7月19日付のニューヨークタイムズ紙では、ウイル・ハード下院議員による記事が話題となっている。ハード議員は、以前CIA(米中央情報局)で勤務しており、その際にロシアの情報機関が多くの人を操るのを見てきたが、まさか米国の大統領が操られる一人になるとは考えもしなかった、と皮肉っている。

国内外から高まる反発・不満は無視?

トランプ大統領への非難はこうした対ロ姿勢だけではない。このところヒートアップする一方の、関税引き上げの方針についても、米国企業ですら反対の声を上げている。

7月19日から20日にかけては、米商務省で、自動車・自動車部品に対する関税引き上げに関しての公聴会が開かれたが、GMなどの米国企業からも、自動車完成品の関税引き上げに異議が唱えられている。これは、米国企業が米国で販売する自動車のなかでも、他国で生産している分があるからだ。つまりトランプ政権の通商政策は、米国企業を含む多くの企業の、生産チェーンのグローバル化といった実態を、理解していないようにみえるわけだ。

また、米政府による関税の引き上げは、欧州や中国からの報復関税を引き起こしており、こうした報復で地元の産業が打撃を受けそうな州知事や州選出議員からの反発も広がっているようだ。

もちろん、トランプ大統領は全く聞く耳を持たないだろうが、諸外国からの不満も強まっている。極めてエレガントなトランプ批判としては、英国のエリザベス女王の装いが指摘されている。トランプ大統領は先々週に訪欧し、女王とも会っている。その際女王が身に着けていたブローチのうち、一つはミシェル・オバマ氏から贈られたものであり、もう一つは葬儀用のブローチ(女王の母がその夫の葬儀に着用したもの)であったとのことだ。

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