利便性大「大阪モノレール」は地震に負けない 空港アクセス線として活躍、隠れた人気路線

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大阪空港駅から高槻市駅の場合は所要時間、乗換回数の観点から大阪モノレールに軍配が上がる。一方、大阪空港駅から高槻市駅以遠の場合は所要時間、乗換回数は同じになる。運賃を加味すると、蛍池・十三経由のほうが80円安いため、蛍池・十三経由に軍配が上がる。

大阪モノレールの表定速度は決して速くないのに所要時間が両者とも60分で同じなのはなぜだろうか。その理由は阪急京都線の河原町方面の準急は高槻市駅で特急と連絡する際にその待ち合わせのために、どうしても3分のロスが発生するからだ。

南茨木駅に特急を停車させれば、大阪空港から河原町方面への所要時間を短縮することができるが、茨木市駅との連続停車になるので、難しいだろう。

大阪モノレールを利用した1日社会科見学はいかが?

ところで、大阪モノレールと聞くと、「空港輸送」「万博記念公園へのアクセス」「私鉄線との接続駅が多い」というイメージを持たれるであろう。確かに、そのとおりではあるが、大阪モノレールにはそのほかにも、さまざまな特色がある。

首都圏から訪れる人も多い国立民族学博物館(筆者撮影)

大阪モノレール沿線は観光資源に恵まれている。その中で注目したいのが国立民族学博物館(民博)だ。実は首都圏には民族学をメインとする国立博物館は存在しない。そのためか、首都圏には休日を利用して民博を訪れる人もいる。大阪国際空港(伊丹空港)から民博へのアクセスに重宝するのが大阪モノレールだ。

大阪空港駅から民博の最寄駅にあたる万博記念公園駅までは約17分(昼間時間帯)、万博記念公園駅から民博までは徒歩約15分の道のりだ。そのため、羽田空港から2時間以内でアクセスでき、日帰りでも十分に楽しめる。また、大阪市内へ出る必要がないので、落ち着いた雰囲気で1日を過ごせることも大きい。

なお、2018年7月現在、大阪北部地震の影響により、民博は閉館している。民博のホームページによると、9月中旬から順次、展示を再開するということだ。

万博記念公園駅に入線する大阪モノレール2000系(筆者撮影)
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