横浜周辺「水没リスク」がある路線はここだ 大地震で津波襲来…その時への備えは?
駅での対応はどうなるか。横浜駅の場合、改札内外の人々へ海抜5m以上の高台(駅北方約700mの沢渡中央公園や三ツ沢公園)または鉄筋コンクリート造り等で地震の揺れによる被害のない高い建物に避難の案内を行うという。
2020年に開業予定の「(仮称)横浜駅西口開発ビル」では、大規模災害時に、来街者が滞留、避難できるスペースや、帰宅困難者のためのスペースが設けられることになっている。
大規模な訓練が必要だ
このように対策はなされているが、大震災では想定外のことが起きないとは限らない。
鶴見―横浜間では、JR、京急合わせて8~10本の線路が並んでいる。線路に降りても安全の確認にどのくらい時間がかかるのか。高齢者、妊婦、車いすの乗客のほか、ヒールの高い靴の女性など、降車に必要な時間、一部線路を歩いての避難の所要時間など、予想外のことが起きかねない事項は数多い。昼と夜との相異、外国人への案内などの問題もある。
鉄道会社だけの問題ではなく、国や自治体とも連携して、昼と夜、満員に近い乗客(訓練参加者)を乗せて大地震発生を想定した停止、降車、避難の訓練を行う必要があるのではないだろうか。半日間ほど横浜付近の鉄道を不通状態にしても、行う価値はあり、社会的コンセンサスも得られるのではないだろうか。
大津波を伴う巨大地震ではなくとも、大地震は高い確率で起きる。そのとき、「津波注意報」「大津波警報」が出されることは多分に考えられる。車内や駅にいてそうした警報に接したとき、事前の知識があれば、精神的パニックとなるのを防ぐ一助になるはずだ。日頃から地震に関しては情報収集をしておきたい。
神奈川県では2012(平成24)年3月に「津波浸水予測図」を発表した。同県ではさらに2015(平成27)年2月に「津波浸水想定図」を公表している。これは発生頻度が2000~3000年以上とされる相模トラフ沿い最大クラスの地震など最新の科学的知見を加味したもので、平成24年の予測図より多くの場所でやや高い津波を想定している。ただし一般に流布している津波ハザードマップは平成24年版が多いことなどにより、ランキング表は平成24年のものを基に作成した。
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