ネットフリックスの株価が14%急落した理由 4-6月期契約者の伸び予想届かず

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 7月16日、米動画配信大手ネットフリックスが発表した第2・四半期決算(6月30日まで)は、新番組の配信開始にもかかわらず、米国と海外での契約者数の伸びが共に予想を下回った。写真は同社のロゴ。カリフォルニア州で昨年1月撮影(2018年 ロイター/Mike Blake)

[16日 ロイター] - 米動画配信大手ネットフリックス<NFLX.O>が16日発表した第2・四半期決算(6月30日まで)は、新番組の配信開始にもかかわらず、米国と海外での契約者数の伸びが共に予想を下回った。

事業の伸び鈍化を巡る懸念から、株価は引け後の取引で14%急落した。

米国の契約者数の伸びは67万人と、トムソン・ロイターI/B/E/Sの予想である119万人を大幅に下回った。海外の契約者数の伸びも447万人と、アナリスト予想の497万人に届かなかった。全体の契約者数の伸びは約520万人で、予想を100万人程度下回った。

純利益は3億8430万ドル(1株当たり0.85ドル)と、前年同期の6560万ドル(同0.15ドル)から増加。アナリスト予想の1株当たり0.79ドルも上回った。

総売上高は40.2%増の39億1000万ドル。アナリスト予想の39億4000万ドルには届かなかった。

ネットフリックスは株主宛ての書簡で「第2・四半期(の業績)は堅調だったが、素晴らしくはなかった」とし、第2・四半期の契約者数の増加ペースを「過大評価していた」と説明した。

プライベートエクイティー会社ペイトリアークのエリック・シファー最高経営責任者は「投資家はネットフリックスの第2・四半期に失望した。今後の見通しも疑わしくなり、それがバリュエーションを大いに低下させる」と指摘した。

ただ、ネットフリックスの幹部はストリーミングサービスの長期的な見通しに自信を示した。リード・ヘイスティングス最高経営責任者(CEO)は、契約者の視聴時間(中央値)は依然として伸びているとし、「ファンダメンタルズ(基礎的条件)はこれまでになく強い」と述べた。

フォレスターのアナリスト、ジェームズ・マキベイ氏は第2・四半期決算について、「事業全体の軟化を示すものではない」と指摘。「予想には届かなかったものの、契約者は依然として数百万人増加している。事前予想は異例の伸びをみせた過去2四半期をベースに設定された可能性がある」との見方を示した。

ネットフリックスは第3・四半期の契約者数について、米国内が65万人増、海外では435万人増、合わせて500万人増と予想した。同社は潜在的な視聴者が10億人を超えるとされるインドでの顧客獲得に力を入れている。

同社はまた、米ドルの急激な上昇で、営業利益率が当初の予想を下回ると予想。同社の売り上げの伸びの大半は海外市場が占める中、費用の大部分はドル建てで計上されている。

ネットフリックスは株主宛ての書簡で、今後は海外のライバル勢との競争が一層激しくなるとの見通しを示した。

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