AIが「弁護士の目」になる日がやってくるのか 契約書レビューAIが法務コストを9割カット
――どういった経緯でAI-CONの開発に至ったのでしょうか?
スタートアップは弁護士の契約書レビューにお金をかけられず、法律知識が少ない中で自分たちで契約書を作成する場合が多いそう。
たしかに、サービスをどうグロースさせるのかを考えなければ会社が潰れる状況で、法務関係は後回しになりがちなのは事実。
「また、型がある契約書は、若手弁護士とベテラン弁護士のどちらが見てもあまり差が生まれません。そこもAIで効率化すればいいと思ったのも理由のひとつですね」(山本氏)
山本さんによれば、特にNDA(秘密保持契約書)などの型が決まっている契約書のレビューは、若手とベテランでクオリティに差が生まれないんだとか。
しかし契約書なので、しっかりチェックする必要はあります。そうなると、使う時間はあまり変わらずお金だけがかかる……。ここを解決できれば、ベテラン、若手ともにより複雑な業務に取り組む時間ができますね。
AIが契約書チェックの仕事をなくす?
――実際にAI-CONを導入した場合、どの程度業務が削減できるのでしょうか?
なんとすでに従来の半分の時間でレビューができるとか。単純に考えても業務効率が2倍になったということで、その分だけ弁護士は他の重要な業務に時間を使えます。
――今後の展開はどうしていくのでしょうか?
精度を高く、かつ2時間でレビューを返せるようになると世界が変わる、と山本さんは語ります。
6月7日にはスタートアップ・フリーランスに特化した契約書テンプレートを公開したGVA TECH。このテンプレートで契約書を作成し、AI-CONでレビューすることで、ますます学習データが溜まりやすくなります。それによってレビュー精度が上がれば、AIによる契約書レビューの完全自動化も夢ではなさそうです。
(文:佐々木亨)
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