ハワイ火山噴火、科学者が「決死の調査」

科学者にとっては、またとない研究機会

 7月8日、2番目に長い噴火を記録しているハワイ島キラウエア火山は、科学者に過去の噴火よりもはるかに優れた研究機会をもたらしており、「決死の調査」が続けられている。写真は、キラウエアの「亀裂8」から噴き出る溶岩。6月撮影(2018年 ロイター/Terray Sylvester)

[パホア(米ハワイ州) 8日 ロイター] - 分厚いコットン地の服にヘルメット、ガスマスクを着用した地質学者のジェシカ・ボール氏は、夜間シフトで米ハワイ島キラウエア火山の「亀裂8」を観測していた。同火山の斜面から噴き出る溶岩は15階建ての建物に匹敵する高さだ。

溶岩は数キロ先の太平洋に続く水路に流出。住民がみな避難してゴーストタウンと化したレイラニ・エステーツの不気味なオレンジ色に染まった夜景の中で、溶岩はまるでボール氏に迫ってくるように見える。だがそれは、目の錯覚だと彼女は言う。

6─8時間のシフト交代制で観測

「キラウエア火山の活動は、自然の力に挑むとは、どんなことかをわれわれに思い知らせる」と、米地質調査所(USGS)の科学者であるボール氏は話す。

キラウエア火山が2カ月以上前に初めて噴火してから、科学者たちは現地で噴火活動を1日24時間、毎日観測している。USGSの職員やハワイ大学の研究者、そして訓練を受けたボランティアが、2つから5つのチームに分かれ、6─8時間のシフト交代制で働いている。

高熱で溶けてしまうため合成繊維の衣服は避け、鋭い火山岩やガラスから手を保護するためグローブを着用している。また、ヘルメットは降ってくる溶岩から、マスクは硫黄ガスから身を守ってくれる。

意気地なしにこの仕事は務まらない。地質学者は活火山の調査中に命を落とすこともある。

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