北朝鮮では間違っても「鉄道」に投資をするな

開放された場合、有望な投資先は?

北朝鮮の電力の6割超は水力によって発電されているが、発電施設は老朽化し技術的な問題を抱える。そのため、既存施設の補修や共同運営などは投資機会として検討に値する。ただ、重要施設についていえば、北朝鮮政府が部分的にでも経営権を外資に明け渡すことはないだろう。

有望なのは水力以外の分野だ。再生可能エネルギーの利用を促進するという政府方針の下、今では国民が風力発電機や太陽光パネルを合法的に所持できるようになっている。正恩氏は水力を除く再生可能エネルギーで500万キロワットを発電する計画を掲げる(平均的な太陽光パネルの発電能力は50ワット)。こうした再エネ分野の発電機製造や大規模発電施設の建設であれば、海外からの投資は歓迎される可能性がある。

道路の投資リターンは低い

また、政府が最近、家庭向けの電気料金を引き上げたことも注目だ。電力消費を抑制する目的とみられる。ただ、平均所得が高い首都・平壌や中国国境近くの工業都市・新義州(シンウィジュ)のほか、北東部にある羅先(ラソン)特別市の工場などは高めの電気代を負担できるため、こうした地域を対象にした合弁の発電事業には商機があるかもしれない。

北朝鮮の道路は東アジアで最も劣悪だ。総延長距離は韓国の4分の1程度でしかなく、1割ほどしか舗装されていない。

有料道路は今のところ平壌と東部沿岸の都市・元山(ウォンサン)を結ぶ高速道路のほかには存在しないもようだ。自家用車もほとんど普及しておらず、道路については十分な需要がない。投資リターンは限られよう。

道路網を修復・刷新するには巨額投資が必要に(写真:北朝鮮ニュース)

北朝鮮の道路網を修復・刷新するには、374億ドル(約4兆1000億円)が必要と見積もられている。民間資本だけでこのような巨額の費用を賄うのは現実的ではない。

ただ、4月の南北首脳会談で採択された板門店宣言には、南北を連結する道路・鉄道網の近代化が盛り込まれているため、韓国政府が部分的に財源を拠出するか、民間の借り入れに対して信用保証をつけるか、その他の方法で民間投資を支援する可能性はある。

鉄道もひどく老朽化している。だが、韓国の統計によれば、北朝鮮では貨物の約9割、旅客の62%が鉄道を利用している。北朝鮮の経済と国民の双方にとって、鉄道は極めて重要な意味を持っているということだ。

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