コマツは何を見誤ったのか 今期業績を下方修正、日本が誇るグローバル企業に暗雲
なぜ見通しが大幅に狂ったのか。鉱山機械の需要予測を立てる際、コマツでは資源価格の推移、顧客の生産計画、実際の生産状況の3つを参考にするという。インドネシアについても、期初計画を作る際、資源価格は低水準にある一方で、生産量は増えていたため、鉱山機械についてもある程度需要が戻ると判断したようだ。実際、同国の石炭生産量は7、8月とも、それぞれ前年同月比10%伸びている。
だが、石炭価格はいっこうに上がらない。そこに急激なルピア安が重なり、鉱山会社の機械への投資意欲が減退した。
下期は”最低限”の計画
コマツは今後、資源価格や通貨の変動で業績を左右されないため、手を打っていくという。
資源価格が上がらない中で、効率化が進まない鉱山が閉山、減産する一方、低コスト生産ができる競争力のある鉱山は増産を続けている。そこで、鉱山ごとの稼働状況やコスト競争力を細かく見極め、有望な鉱山に営業資源を集中させる。
「こういう状況だからこそ、競争力の高い鉱山からは無人ダンプトラック運行システムのような(コマツにとっても付加価値の高い)製品の引き合いが強い。しっかり見極めたうえで、売り込みをかけていく」(大橋社長)。
今回見直した下期の鉱山機械売上高計画は、すでに受注済みのものと資源メジャーから受注がほぼ確定しているものだけを反映した“最低線”の水準だ。「大きな下方修正をする以上、きちんと達成したいこともあって、こういう計画を出している」(大橋社長)。下期はどれだけ上積みできるのかが、今後の焦点だ。
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