シンガポールが富裕層を落とせる3つの理由

「おもてなし」をおカネに変える仕組みとは?

ひとつずつ解説しましょう。

玄関口の時点で快適度を上げている

1.旅行者にストレスがかかりにくい

齊藤成人著『最高の空港の歩き方』では、英スカイトラックス社の空港ランキングで5年連続世界一を獲得したチャンギ空港のすごさが語られていますが、シンガポールのすごさは全般的にストレスがかからないことです。「空港にいることを楽しめる」「快適に過ごせるオペーレーションがすごい」というほかに、「あえて静かな空港にすることによっておカネを稼いでいる」という面白い記述がありました。アナウンスを最小限に抑えてできるだけ静かな空港にして、快適度を上げようという考えなのです。

そのほかにも、滞在する人にとってストレスがかかりにくい仕組みになっています。たとえば、空港からのタクシーは一列ではなく放射状に出ていて待ち時間を短縮しています。タクシースタンドとは別の場所から配車アプリを使ってライドシェアを呼ぶことも可能です。

配車アプリを利用すれば通常はわずか数分以内に配車されます。タクシーやライドシェアの利用料金は日本のタクシー代の半額程度です。空港から市内へも車で30分程度と、交通のアクセスがいいです。成田空港とは大違いです。たとえ何時にチャンギ空港に着いたとしてもタクシーに乗って短時間で滞在先や訪問先に行けるので、着いた日からアクティブに経済活動ができる仕組みになっています。世界を飛び回る「ジェットセッター」には極めて評判がよく、「出入り口を制す者、富裕層を制す」なのです。

2.店員の「笑顔」はインセンティブで作られる

シンガポールには欧米流のチップ制度はありません。しかし、実は販売員などにインセンティブを与えて売上額に応じてボーナスが入る仕組みになっていることも多いのです。

たとえばレストランのテーブル担当も有料の水やお酒などのボトルを熱心に勧めますし、アパレルなどの販売員も積極的です。顔見知りの販売員が「WhatsApp」などのSNSで新作入荷やイベントやセールなどの案内をこまめに連絡してくれることもよくあります。気になったので仲がいいスタッフに聞いたところ、顧客から予約を取り決済が完了したらポイントがついて店員の報酬に反映される仕組みがその企業にはありました。

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